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2024/04/12 08:53

神経質な値動きか、中国貿易統計が気がかり 無料記事

◆12日の香港マーケットは、中国貿易統計の見極めで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定しつつある。11日の米株市場は、ハイテク株が大幅上昇し、全体としては堅調だった。主要指標のNYダウは4日続落したものの下げ率は0.01%にとどまり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.7%高と急反発している。ナスダック指数は、約3週ぶりの史上最高値を更新した。過度なインフレ懸念がやや薄らぐ。3月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇にとどまり、2月の0.6%上昇から鈍化した。予想の0.3%上昇も下回っている。前日公表された米消費者物価指数(CPI)は予想以上に加速していただけに、投資家にひとまず安心感が広がった。個別ではエヌビディアが4.1%高と大幅続伸し、アップルやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)なども上昇している。ただ、週内に大手金融の決算発表が始まることは気がかり。ゴールドマン・サックスなどが下落し、ダウ平均の重しとなった。また、米10年債利回りの上昇が継続していることも不安視されている。
 中国国内の環境も悪くない。不動産デベロッパーを巡る不透明感は根強いものの、中国経済の先行きが楽観されている。中国の2024年GDP(国内総生産)成長見通しについて、上方修正する動きが相次ぐ。アジア開発銀行(ADB)は11日発表した最新の「アジア経済見通し」で、24年の中国GDP成長率予想を4.5%→4.8%に引き上げた。ADBによれば、不動産セクターの低迷を内需の拡大がカバーする。ほか、モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスも今年の予想成長率を引き上げた。それより先、格付け会社フィッチ・レーティングスは中国の信用格付け見通しを引き下げたものの、景気に対する懸念は薄らいでいる。
 なお、中国では、きょう12日、3月の貿易統計が発表される予定。市場コンセンサスでは、米ドル建ての輸出がプラス5.6%→マイナス1.9%、輸入がマイナス8.2%→プラス1.0%で着地する見通しだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。本日公表される中国貿易統計の結果が気がかりだ。内容次第では、相場が乱高下する可能性もあろう。また、米市場でハイテク株は買われたものの、米10年債利回りは上昇している。売り材料として意識される場面もありそうだ。


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