◆24日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境に目立った手がかりはない。23日の米市場は、感謝祭の祝日で株と債券のマーケットが休場だった。24日の取引は短縮となる。場が開いていた欧州市場は堅調だったとはいえ（独DAXが0.2％高、英FTSE100が0.2％高など）、商いは低調だった。
　一方、内部的には好材料と悪材料が交錯。中国政府は低迷する不動産業界を救済するため、対策を急いでいる。中国当局がデベロッパーの資金調達支援に向け、「ホワイトリスト」の作成を進めているとの報道について、当局が草案の作成を終えたとの情報が新たに伝わった。当局は数日中に最終決定する見通しという。そのほか、新たに深セン市が住宅ローン規制を緩和した。また、景気の下支えに向け、中国政府が例年通り、翌年度地方債の前倒し発行を認めるもようとも報じられている。
　他方、中国経済の先行き不安は依然としてくすぶる状況。「影の銀行（シャドーバンキング）」の債務問題が再浮上している。民営のノンバンク系資産運用会社で、資金繰り難に直面する中植企業集団有限公司は22日、投資家に対して謝罪文を発表し、一部の商品で実質的な契約不履行が発生したことを明らかにした。帳簿上の総資産は約2000億人民元に達するが、負債は4200億〜4600億人民元（約8兆7610億〜9兆5940億円）に上り、深刻な債務超過に陥っているという。そのほか、呼吸器疾患の患者が中国北部を中心に急増していることにも留意したい。特に子供の患者が多く、現時点ではマイコプラズマ肺炎や一般的なインフルエンザ、そのほかの混合感染とみられている。ただ、世界保健機関（WHO）は23日、中国当局に対して詳細な報告を求めたと明らかにした。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。上述したように、中国の経済対策に対する期待感と景気減速の懸念が綱引きとなりそうだ。



内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。