◆11日の香港マーケットは、中国経済対策の期待感でしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は落ち着きつつある。10日の米株市場は、インフレ懸念が後退する中、主要指標のNYダウが前日比0.2％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1％高とそろって3日ぶりに反発した。朝方公表された7月の消費者物価指数（CPI）に関しては、前年同月比の伸び率が予想を下回っている。前月比の上昇も低い伸びにとどまったことで、9月の米連邦公開市場委員会（FOMC）は金利を据え置くとの見方が強まった。ただ、国債入札が低調だったため、米債券市場では長期債利回りが上昇。全体相場の重しとなった。
　一方、中国国内では、弱い経済指標の発表が相次ぐ中で、経済対策の期待が高まっている。今週公表された7月の物価統計が予想以上に落ち込んだことで、市場関係者の間からは「金融緩和の余地が広がった」との声が聞かれた。「中国人民銀行（中央銀行）は8月中旬にも預金準備率を引き下げる可能性がある」との観測も流れている。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。米長期金利の上昇や中国の景気懸念は重しとなるものの、中国経済対策の期待感が相場を支えよう。また、香港市場に上場する主要企業の決算報告が進む中、業績動向を手がかりにした物色もみられそうだ。阿里巴巴集団HD（アリババ・グループ・ホールディング：9988/HK、BABA/NYSE）が昨日引け後に公表した4〜6月期決算は51％増益となり、市場予想も上回っている。昨夜の米市場では同社のADR（米国預託証券）が4.6％上昇した。


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