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2023/09/01 08:47

神経質な値動きか、台風警報で終日取引中止も 無料記事

◆1日の香港マーケットは、中国景気懸念で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。8月31日の米株市場は、8月の米雇用統計を翌日に控えていることや、週明け月曜日がレーバーデーの祝日でマーケットが連休となることもあり、全体として方向感を欠いた。主要指標のNYダウが前日比0.5%安と5日ぶりに反落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.5%高と5日続伸している(ナスダック指数は約1カ月ぶりの高値)。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は「今後の利上げは経済指標を確認しながら」と述べているだけに、雇用統計の結果を見極めたいとするスタンスが一段と強まった。
 一方、中国国内では景気懸念が依然としてくすぶっている。前日公表された今年8月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)は49.7となり、前月実績(49.3)と市場予想(49.2)を上回ったものの、景況判断境目の50を5カ月連続で割り込んだ。中国では、不動産デベロッパーや地方政府の債務問題が依然としてくすぶっている。当局は不動産業の支援策を相次ぎ投入しているほか、一部デベロッパーは債務再編や返済先送りなどを画策しているものの、予断は許さない状況だ。
 また、中国では本日(日本時間10時45分ごろ)、8月の財新中国製造業PMI(民間集計)が公表される。最新のコンセンサス予想では、前月の49.2から49.0に低下する見込みだ。
 なお、香港天文台は1日午前2時40分(現地時間)、猛烈な勢力の台風9号(サオラー)の接近を受け、台風警報「シグナル8」を発令した。ほぼ終日、同警報を維持する見通しとしている。これを受けて香港証券取引所は1日、「シグナル8」以上の台風警報発令に関する取引規定により、本日のプレオープニングセッションを中止すると発表した。香港天文台の発表に基づくと、本日の取引は終日中止となる可能性が高い。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米長期債利回りの低下など好材料はあるものの、中国の景気懸念がくすぶる中で、投資家の慎重スタンスが続いている。


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