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2023/08/17 09:04

売り先行か、米金利高と人民元安を嫌気 無料記事

◆17日の香港マーケットは、米金利高と人民元安を嫌気した売りが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。16日の米株市場は、米金融引き締めの長期化が警戒され、主要指標のNYダウが前日比0.5%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.1%安とそろって続落した(NYダウは約1カ月ぶり、ナスダック指数は約1カ月半ぶりの安値)。取引時間中に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月25〜26日開催分)により、インフレ上振れの可能性を大半のメンバーが指摘していたことが判明。利上げ継続の見方が強まる中、米債券市場では米10年債利回りが急上昇し、一時、10カ月ぶりの高水準を付けた。米小売り大手の好決算を手がかりに、朝方は買われる場面がみられたものの、議事要旨の公開後、指数は下げの勢いを増している。
 中国国内の環境も不透明だ。直近で公表された各種の経済指標に関しては、中国経済の回復遅れを示唆する内容が相次いでいる。足元では、英金融大手バークレイズなど国際金融機関が中国の経済成長見通しを軒並み下方修正。中国政府が目標とする通年成長「5%前後」については、達成が困難との見方だ。
 人民元安の進行も不安材料。16日の外国為替市場では、対米ドルの人民元が昨年11月以来の安値を付けた。
 ただ、経済対策の期待感は続いている。国営メディアは16日、「国務院(内閣に相当)は今年の経済目標を達成するため、政策調整を強化する方針を示した」と報じた。来週21日に発表される最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」については、銀行貸出の指標となる1年物と住宅ローン金利の指標となる5年物がそれぞれ引き下げられると見込まれている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行しそうだ。上述したように、米金利の上昇や人民元安の進行などが逆風となる。また、インターネットサービス大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が昨日引け後に中間決算を公表し、純利益が24%増にとどまり、予想を大幅に下回ったことも投資家心理の重しとなりそうだ。


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