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2023/12/01 08:58

底堅い展開か、NYダウが年初来高値 無料記事

◆12月1日の香港マーケットは、NYダウの大幅上昇が好感される展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は悪くない。11月30日の米株市場は、米長期債利回りの上昇がハイテク株の重しとなったものの、米インフレ指標の鈍化が全体相場を支える展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.5%高と3日続伸し、約4カ月ぶりに年初来高値を更新している(NYダウの月間上昇率は8.8%)。インフレ鈍化で米利上げサイクルの終了期待が高まった。米商務省が30日発表した10月の個人消費支出(PCE)物価指数の伸びは鈍化し、米労働省が公表した新規失業保険申請件数(週間)は予想ほどではなかったが前週から増加している。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は同日、「政策金利はピークかそれに近い状態」と述べた。他方、米債券市場では、このところ連日で低下していた米10年債利回りが急上昇。前日は一時、9月14日以来の低水準を付けていたこともあり、市場では「月末のポジション調整」との声もあった。とはいえ、ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株にとっては逆風となり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2%安と続落している(ナスダック指数の月間上昇率は10.7%)。
 一方、中国国内の環境は景気不安と政策期待が綱引きとなる状況。30日公表された11月の中国製造業PMIは49.4に低下し、予想(49.8)に反し前月実績(49.5)を下回っている。それより先、27日発表された今年10月の工業企業利益総額は前月から大幅に鈍化した。半面、景況感悪化を受け、当局は景気を押し上げるため対策を強めるとの期待も広がっている。
 なお、中国では本日(日本時間10時45分ごろ)、11月の財新中国製造業PMI(民間集計)が公表される。最新のコンセンサス予想では、前月の49.5→49.6に上向く見込みだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅い展開か。米長期金利の上昇など不安材料はあるものの、NYダウ高値更新が好感されそうだ。


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