/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2023/12/21 08:59

上値の重い展開か、中国経済の先行き不安根強く 無料記事

◆21日の香港マーケットは、中国経済の先行き不安が根強い中で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はそれほど悪くない。20日の米株市場は、高値警戒感で後場に入り急反落したものの、地合いを悪化させるほどの売りではなかった。主要指標のNYダウが前日比1.3%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.5%安と10日ぶりに反落。NYダウは前日まで、5営業日連続で史上最高値を更新していた。市場関係者の間からは、クリスマス休暇や年末を前に、いったん利益を確定する売りが出ているとの声も聞かれている。ただ、米経済はソフトランディング(軟着陸)するとの期待が大きく、指数は高く推移する場面もあった。米コンファレンス・ボードが20日に発表した12月の米消費者信頼感指数は予想(104.0)を上回る110.7に上昇し、5カ月ぶりの高水準を付けている。米金利低下もプラス材料。米債券市場では、英国のインフレ低下などを手がかりに、米10年債利回りが急低下し、約5カ月ぶりの低い水準を付けた。
 一方、中国国内の環境は依然として不透明。足元では、景気鈍化を示唆する中国指標が相次いでいるほか、不動産デベロッパーの債務問題もくすぶっている。また、消費活動の停滞も懸念される状況だ。一方、中国人民銀行(中央銀行)が昨日公表した実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、予想通り1年物、5年物いずれも現行水準(それぞれ3.45%、4.20%)に据え置かれている。貸出金利の低下による銀行収益の圧迫を避けるため、当分は利下げが望めないとの見方も広がった。ただ、経済成長を促すため、当局は預金準備率の引き下げなど金融面での支援を継続するとの観測も続いている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米長期金利の低下などは支えになりそうだが、中国経済の先行き不安が相場の足かせとなろう。また、香港市場は来週25〜26日がクリスマス休暇による休場となることもあり、積極的な売買も手控えられそうだ。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース