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2024/01/11 08:36

神経質な値動きか、米中指標を見極めへ 無料記事

◆11日の香港マーケットは、米中の指標発表を前に神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。10日の米株市場は、ハイテク株に見直し買いが続き相場を支える展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.5%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.8%高と4日続伸している。業績期待の大きい半導体のエヌビディアが連日で上昇来高値を更新し、アナリストが投資判断を引き上げた交流サイトのメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)も大幅高。ソフトウエアのマイクロソフトや、顧客情報管理(CRM)のセールスフォースも上昇した。インフレ鈍化の期待も大きい。あす11日に12月の消費者物価指数(CPI)、12日に生産者物価指数(PPI)が公表される予定だ。これまでに発表された経済指標は、インフレが鈍化していることを示すものが多く、米利上げサイクルが終了したとの見方が市場のコンセンサス。格付け会社フィッチ・レーティングスのアナリストは10日、米国の景気後退(リセッション)はもはや予想していないとした上で、米連邦準備理事会(FRB)が年内に3回の利下げを実施する可能性が高いとの見方を示した。
 一方、内部環境は依然として不透明。中国経済の先行き不安が強まっている。世界銀行は9日、最新の世界経済見通しを公表し、中国の国内総生産(GDP)成長率予想を下方修正した上で、24年は23年から成長が大幅鈍化すると見込んだ(5.2%→4.5%)。また、影の銀行(シャドーバンキング)の債務問題がくすぶる中、金融システムの混乱も警戒されている。
 なお今週は、中国であす12日に12月の物価統計と貿易統計が発表される予定。デフレ脱却に向けた兆しが確認できるかが焦点だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国発の新規買い材料に乏しい中、米中の指標を見極めたいとするスタンスが広がりそうだ。


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