/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2024/02/01 09:02

上値の重い展開か、米ハイテク株安が逆風に 無料記事

◆1日の香港マーケットは、米ハイテク株安で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。1月31日の米株市場は、早期の米利下げ観測が後退し売られる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.8%安と5日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.2%安と続落している。米連邦準備理事会(FRB)は31日まで開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、予想通り政策金利の据え置きを決定。パウエルFRB議長はその後の会見で、「インフレが目標の水準(2.0%)に向かっている確信が強まるまで、政策金利の引き下げが適切になるとは考えていない」と発言し、市場で高まっていた次回会合(3月)での利下げ観測をけん制した。また、24年1〜3月期の売上高見通しが慎重な内容だったとして、マイクロソフトが2.7%下落。ハイテク株全体の下げを誘った。
 一方、内部的には好材料と悪材料が交錯。中国の過度な景気懸念がやや薄らいだことはプラスだ。国際通貨基金(IMF)は30日に発表した最新の世界経済見通し(WEO)で、中国の2024年GDP(国内総生産)成長率予想を昨年10月時点の4.2%から4.6%に上方修正している。また、31日公表された1月の中国景況感指数については、製造業PMIが予想ほどではなかったものの前月実績を上回り、非製造業PMIは予想以上に前月から改善した。他方、不動産業を巡る警戒感は依然としてくすぶる。複数メディアは31日、碧桂園HD(2007/HK)に対し、一部の債権者が香港で清算申し立てを計画しているもようと報じた。それに先立つ29日、香港高等法院(高裁)が中国恒大集団(3333/HK)に対して「清算命令」を出したばかり。破綻処理は困難になると予想されていることもあり、不動産市況に対する悪影響も警戒されている。
 なお本日は、取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に1月の財新中国製造業PMI(民間集計)が公表される予定。事前の市場コンセンサス予想では、前月の50.8と同水準で着地する見込みだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、中国不動産業の不透明感や昨夜の米株安などが相場の足かせとなる。ただ、下値を叩くような売りも出ないだろう。中国の過度な景気懸念が薄らいだことはプラスだ。また、景気やマーケットに対する当局の支援スタンスが改めて材料視される可能性もあろう。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース