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2024/02/08 08:33

上値の重い展開か、中国企業に業績不透明感 無料記事

◆8日の香港マーケットは、企業業績の不透明感で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は良好。7日の米株市場は、米経済の軟着陸(ソフトランディング)が相場を押し上げる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.4%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%高とそろって続伸している。NYダウは3営業日ぶりに史上最高値を更新した。ほか、機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数も最高値を更新している。このところ公表された経済指標では、1月の米雇用統計や、米供給管理協会(ISM)が公表した1月の非製造業景況感指数が予想を上回り、米景気の底堅さが確認された。また、これまでに報告された主要企業の決算が概ね好調なことも好感されている。早期の利下げ観測は後退したものの、景気期待が投資家のセンチメントを上向かせた。
 一方、内部環境には不透明感がくすぶる。企業業績の鈍化がマイナスだ。中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が7日引け後に発表した10〜12月期決算は、純利益が69%減少し、1株利益が予想を下回っている。ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が6日引け後に公表した10〜12月期決算は、純利益が55%減少。趙海軍・最高経営責任者(CEO)は7日の決算説明会で、2024年の半導体業界の見通しに慎重なスタンスを示している。ほか、不動産デベロッパーの1月営業実績でも、販売動向の低迷が明らかにされた。
 当局の強力な株価対策はプラス材料だが、相場の持続的上昇には弱いとの見方がある。地方政府の債務問題や、民間企業の規制強化、国内消費の低迷など経済面での問題が山積する状況だ。
 なお、中国では、きょう8日朝方(日本時間10時半ごろ)、1月の物価統計が公表される予定。市場コンセンサス予想では、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比マイナス0.5%(前月はマイナス0.3%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス2.6%(同マイナス2.7%)で着地すると見込まれている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開となりそうだ。下値では政府系ファンドなどの買い支えが期待できるものの、一段の上昇には材料不足といえる。上述したように、中国企業の業績不透明感も懸念材料だ。


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