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2024/01/15 08:59

上値の重い展開か、中国指標が気がかり 無料記事

◆週明け15日の香港マーケットは、中国指標の発表を前に上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。12日の米株市場は、一部企業の決算に失望した売りが重しとなる一方、米金利低下が相場を支える展開だった。主要指標のNYダウは前日比0.3%安と3日ぶりに反落したが、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.01%高と小幅ながら6日続伸している。主要企業の決算報告が本格化する中、バンク・オブ・アメリカやウェルズ・ファーゴなど金融大手の業績内容が物足りないと評価された。半面、12月の米生産者物価指数(PPI)は予想外に下落。米長期債利回りが低下し、ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株にとっての追い風となった。
 他方、中台関係の悪化懸念もくすぶる。13日投開票の台湾総統選では、米国との関係重視を訴える対中強硬派の与党・民主進歩党(民進党)候補の頼清徳氏が当選。中国の王毅・政治局員兼外交部長はこの結果を受け、「中国はいずれ台湾を統一する」と頼氏をけん制した。両国関係の悪化で世界のサプライチェーン(供給網)が混乱する恐れもある。
 一方、中国では今週17日、12月の小売売上高や鉱工業生産、23年通年のGDP成長率などが公表される。注目のGDP成長率に関しては、22年の3.0%→5.2%に拡大するとの見通し。中国政府の目標達成がほぼ確実視されている。それより先、中国人民銀行(中央銀行)が12日発表した12月の金融統計では、人民元建て新規融資額が予想にとどかず、マネーサプライ(通貨供給量)M2の伸びは前月水準を下回った。
 なお本日朝方(日本時間10時20分ごろ)に、1月の中期貸出ファシリティ(MLF)金利が発表される予定。市場コンセンサスでは、前月の2.50%→2.40%に引き下げられる見込みだ。MLF金利は、22日公表予定の実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」を左右する。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米金利の低下や、中国の金融緩和期待などは支えになりそうだが、17日の指標発表が気がかり材料だ。また、中台関係を巡るニュースフローにも注視したい。


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