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2023/11/30 08:50

神経質な値動きか、中国PMIを注視 無料記事

◆30日の香港マーケットは、中国指標をにらみながら神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は中立。29日の米株市場は、方向感を欠く展開だった。米長期金利の低下が続く一方、米景気に対する見方は強弱が分かれている。主要指標のNYダウが前日比0.03%高と小幅ながら続伸したものの、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.16%安と反落した。金融当局者のハト派(緩和的)発言を引き続き手がかりに、米債券市場では米10年債利回りが連日で低下。一時、9月14日以来の低水準を付けた。米景気動向を巡っては、朝方発表された7〜9月期の米実質国内総生産(GDP)改訂値が前期比年率5.2%増に拡大し、速報値(4.9%増)から上方修正されている。他方、午後に報告された米地区連銀景況報告(ベージュブック)では、経済活動の鈍化傾向が明らかとなった。
 一方、中国では本日朝方(日本時間午前10時30分ごろ)、今年11月の製造業PMI(国家統計局などが集計)、非製造業PMI(同)が公表される。直前の市場コンセンサス予想では、製造業PMIが49.8(前回49.5)、非製造業PMIが50.9(前回50.6)で着地する見込みだ。それより先、27日発表された今年10月の工業企業利益総額は前月から大幅に鈍化している。ただ、経済協力開発機構(OECD)が29日公表した経済見通しでは、「中国経済が7〜9月期に底入れした」との見解が示された。そのうえで、2023年の中国経成長率予測を前回の5.1%→5.2%、24年を4.6%→4.7%に上方修正している。
 他方、不安材料は山積。中国では影の銀行(シャドーバンキング)の債務問題や、不動産支援策実行に対する不透明感などが依然としてくすぶっている。香港域内の金利高も警戒。住宅ローン金利基準のひとつとなる香港銀行間取引金利(HIBOR)1カ月物は9日連続で上昇し、2007年10月以来の高い水準に達した。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。強弱感の分かれる材料が交錯する中、中国指標に左右される展開となりそうだ。


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