◆31日の香港マーケットは、米株高を支えにしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はひとまず落ち着ている。30日の米株市場は、米政策金利の据え置き期待で買われる展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.6％高と4営業日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.2％高と続伸している。NYダウは先週末、約7カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいたとあって、自律反発狙いの買いもみられた。米国では今週、米連邦公開市場委員会（FOMC）の開催や10月米雇用統計の発表が予定されている。11月1日（日本時間2日未明）に終了するFOMCでは、政策金利の据え置きが決定される見込みだ。中東情勢が緊迫化しているにもかかわらず、原油相場が下落したこともプラス（WTI原油先物は3.8％安と反落）。インフレ懸念もやや薄らいだ。米株市場の不安心理を表すVIX（20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」）は19.75で終了。前日比で7.2％下落し、4営業日ぶりに節目の20を下回った。
　一方、中国では本日朝方（日本時間午前10時30分ごろ）、10月の製造業購買担当者景気指数（PMI、国家統計局などが集計）が公表される。直前の市場コンセンサス予想では、製造業PMIが50.2（前回50.2）、非製造業PMIが52.0（前回51.7）で着地する見込みだ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開となろう。中国のインフレ指標は気がかり材料となるものの、昨夜の米株高が支えとなろう。また、米中関係の改善期待が続いていることも買い安心感につながりそうだ。
なお、前日はハンセン指数の構成銘柄で新エネルギー自動車（NEV）大手の比亜迪（BYD：1211/HK）が7〜9月期決算を報告。売上高は1621億5069万人民元（前年同期比38.5％増）、純利益は104億1275万人民元（前年同期比82.2％増）に拡大した。事前予想を上回っている（売上高は1570億人民元、純利益は72億2000万人民元）。


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