◆29日の香港マーケットは、米長期金利の低下基調を支えにしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は安定的。28日の米株市場は、米利上げサイクルの終了期待が強まる中で買い戻しが入る展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.2％高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3％高と3日ぶりに反発している。金融当局者のハト派（緩和的）発言がプラス。米連邦準備理事会（FRB）のウォラー理事は28日、インフレが鎮静化すれば、数カ月先には金利引き下げも可能になると述べた。また、シカゴ連銀のグールズビー総裁は「全体のインフレ率は、1950年代以来のペースで低下している」との認識を示している。米債券市場では、米10年債利回りの大幅低下が続き、9月中旬以来の低い水準に達した。
　一方、中国ではあす30日、今年11月の製造業PMI（国家統計局などが集計）、非製造業PMI（同）が公表される。直前の市場コンセンサス予想では、製造業PMIが49.8（前回49.5）、非製造業PMIが50.9（前回50.6）で着地する見込み。前回から改善するとみられているが、27日発表された今年10月の工業企業利益総額は前月から大幅に鈍化しているだけに、結果が気がかりだ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。米長期金利の低下基調が支えとなろう。ただ、中国では影の銀行（シャドーバンキング）の債務問題がくすぶっているほか、指標発表が控えているだけに、上値も重そうだ。
　なお、飲食ポータルサイトの美団（メイトゥアン：3690/HK）は昨日引け後に7〜9月期決算を報告。利益は前年同期比で3倍に拡大した。ブローカー各社は強気見通しを継続しながらも、目標株価の引き下げも目立っている。株価動向に注意したい。


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