◆20日の香港マーケットは、米株高を支えに下値を固める展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は安定的。19日の米株市場は、米利下げ期待を引き続き手がかりに買われる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.7％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.7％高とそろって9日続伸。NYダウは5営業日連続で史上最高値を更新している。このところ米連邦準備理事会（FRB）高官から早期利下げ観測をけん制する発言が相次いだものの、先週開催の米連邦公開市場委員会（FOMC）で示唆された2024年の利下げを否定するものではないとの見方が優勢だ。米経済の持ち直しも期待される。米商務省が19日発表した11月の一戸建て住宅着工件数は前月比で18.0％増加し、2022年1月以来の伸びとなった。
　一方、内部環境は依然として不透明。足元では、景気鈍化を示唆する中国指標が相次いでいるほか、不動産デベロッパーの債務問題もくすぶっている。ただ、中国人民銀行（中央銀行）の高官は19日、中国は2024年経済成長率の5％目標を達成できるとの認識を示したうえで、政府は金融面での経済支援を強化する余地があると強調した。市場関係者の間には、預金準備率の引き下げ観測も流れている。
　なお、中国人民銀行（中央銀行）は本日朝方（日本時間10時15分ごろ）、実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート（LPR）」を発表する予定。1年物、5年物いずれも現行水準（それぞれ3.45％、4.20％）に据え置きが予想されている。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは下値固めの展開か。中国経済の先行き不安は重しとなるが、このところの下落基調で値ごろ感も意識される状況だ。昨夜の米株高も支えとなろう。


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