◆29日の香港マーケットは、内外環境の改善で下値の堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は良好。28日の米株市場は、米金融政策を巡る不透明感後退を引き続きてがかりに、主要指標のNYダウが前営業日比0.6％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.8％高とそろって続伸した。パウエル米連邦準備理事会（FRB）議長によるジャクソンホール会議（各国の中央銀行関係者が集まる国際経済シンポジウム）の25日の講演を受け、過度な引き締め懸念が後退。年内にもう1回の利上げが実施される確率が高まったが、今回の利上げサイクルはそれで終了するとの見方が広がっている。米債券市場では、米10年債利回りが上昇一服で推移した。
　一方、内部的には本土・香港の市場活性化対策が好材料。中国本土市場では、28日より株式取引にかかる印紙税が半減されたほか、信用取引の保証金率が引き下げられる（9月8日引け後に適用）。新規株式公開（IPO）の引き締めや、大株主の保有株売却の制限なども決定された。また、香港政府トップの李家超（ジョン・リー）行政長官は27日、タスクフォースを立ち上げ、株式市場の流動性を高めるための措置を検討すると表明。近く詳細を発表する予定だ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の堅い展開か。上値では戻り待ちの売り圧力も意識されそうだが、内外環境の改善が相場を支えそうだ。
　なお、香港に上場する主要企業の中間決算報告は終盤に入っている。本日予定されているのは、龍源電力集団(916/HK)や大唐国際発電(991/HK)、中国南方航空(1055/HK)、山東威高集団医用高分子製品(1066/HK)、華潤置地(1109/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、中国農業銀行(1288/HK)、中国人民保険集団(1339/HK)、華虹半導体(1347/HK)、江西カン鋒リ業集団(1772/HK)、小米集団(1810/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、中国国際海運集装箱(2039/HK)、中国平安保険(2318/HK)、中国人民財産保険(2328/HK)、中信証券(6030/HK)、碧桂園服務HD(6098/HK)、海底撈国際HD(6862/HK)、農夫山泉(9633/HK)などだ。


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