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2020/04/24 09:07

上値の重い展開か、業績動向手がかりに選別物色も 無料記事

◆24日の香港マーケットは、不安材料が散見されるなかで上値の重い展開となりそうだ。
 外部環境には不透明感がくすぶる。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.17%高と続伸する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.01%安と小幅ながら反落した。引き続き原油相場の持ち直しを手がかりに小高く推移していたものの、新型コロナウイルスを巡る警戒感が再燃し、指数は中盤から伸び悩んでいる。英メディアは23日、「米ギリアド・サイエンシズの新型コロナ治療薬は、中国での初期臨床試験が失敗に終わった」と報道。ギリアド側は「データ不足のため、結論付けることはできない」と反論したものの、期待が大きかっただけに、投資家心理を冷やす一因となった。また、景気先行き不安も改めて意識される。IHSマークイットが23日公表した製造業とサービス業をあわせた4月米総合購買担当者指数(PMI)は27.4に落ち込み(3月は40.9)、2009年の統計開始以来で最低記録となった。
 一方、23日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が0.2%安と反落。銀行株安が相場の重しとなった。中でも、中国銀行(601988/SH)が2.0%安と続落。同行が販売した原油先物商品「原油宝」を巡り、「原油急落によりありえない損失が出たのは、金融商品として欠陥があったためだ」として、集団訴訟の動きもあると伝わった。また、中国銀行保険監督管理委員会は22日、銀行の不良債権比率が3月末時点で2.04%に上昇したと発表(昨年12月末は1.98%)。第2四半期はさらに上昇すると予測した。「景気回復には時間がかかる」との見方が改めて広がっている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。経済活動の再開や経済対策の強化などプラス材料はあるものの、景気懸念も依然としてくすぶっている。香港で主要企業の四半期決算報告が本格化するなか、目先は業績動向に着目した値動きとなろう。


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