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2024/03/19 08:53

上値の重い展開か、米金融政策が気がかり 無料記事

◆19日の香港マーケットは、米金融政策の見極めで上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。18日の米株市場は、ハイテク株に見直し買いが入り、全体相場を押し上げる展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.2%高と3日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.8%高と4日ぶりにそれぞれ反発している。人工知能(AI)産業の将来性が改めて着目された。アップルが自社スマートフォン「iPhone」に、グーグルの生成AI「ジェミニ」を搭載することで交渉中と伝わったアルファベット(グーグルの持ち株会社)株が急伸。5年ぶりに対面での年次開発者会議を18〜21日にかけて開くエヌビディアも、次世代半導体の期待感で株価が上昇した。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を19〜20日に控え、政策金利見通しなどを見極めたいとするスタンスも根強く、NYダウは上げ幅を縮小させている。米債券市場では、米10年債利回りの上昇が続いた。
 中国国内の環境もそれほど悪くない。前日公表された今年1〜2月の経済指標では、消費や不動産販売の低迷は続いたものの、鉱工業生産や固定資産投資の持ち直しは確認された。また、本土株の先高観も強まっている。当局は相場支援策を強化しているほか、主要企業のA株自社株買いが相次いでいると報じられた。
 なお、中国人民銀行(中央銀行)はあす20日(日本時間10時15分ごろ)、実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」を発表する。銀行貸出の指標となる1年物LPRは現行の3.45%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRは3.95%に据え置かれる見通しだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国当局の消費刺激策や産業支援策、相場テコ入れスタンスなどは支えとなるものの、米金融政策の動向が気がかり材料となる。香港は金融政策で米国に追随するためだ。また、内外金利差などによる資金流出を警戒する中国でも、米金利動向に目が離せない。


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