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2023/08/18 09:02

売り先行か、内外に不安材料 無料記事

◆18日の香港マーケットは、内外の不安材料で売りが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。17日の米株市場は、米金利の上昇が続く中、主要指標のNYダウが前日比0.8%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.2%安とそろって3日続落した(NYダウは約1カ月ぶり、ナスダック指数は約2カ月ぶりの安値)。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月25〜26日開催分)の内容や、強い経済指標が相次いだことを受け、米利上げは長期化するとの見方が強まっている。米労働省が発表した新規失業保険申請件数(週間)は、予想以上に前週から減少した。17日の米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き、一時、昨年10月以来の高水準を付けている。
 中国国内の環境も不透明。中国不動産デベロッパーの債務問題や、国内の景気動向に対する警戒感が高まっている。「流動性危機に直面する不動産デベロッパー大手の中国恒大は17日、米連邦破産法15条の適用をニューヨーク連邦破産裁判所に申請した」と複数のメディアが報じた。不動産市場の低迷や、消費活動の停滞などを受け、複数の証券ブローカーが中国経済の先行きに慎重な見方を示している。2023年に「5.0%前後」の国内総生産(GDP)成長を確保するとの当局目標について、「達成は困難」との見方が広がる状況だ。一方、経済対策の期待感は持続している。中国人民銀行(中央銀行)は17日、第2四半期(4〜6月)の「貨幣政策執行報告」を発表。マクロ経済政策の調整を強化し、潤沢な流動性と人民元相場の安定を維持する方針を示した。来週21日に発表される最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」については、銀行貸出の指標となる1年物と住宅ローン金利の指標となる5年物がそれぞれ引き下げられると見込まれている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられよう。上述したように、内外の不安材料が投資家のリスク回避スタンスにつながりそうだ。ただ、指数はこのところの下落ピッチが速いこともあり、下値を拾う動きには期待したい。中国経済対策の期待感が相場を下支えする可能性もある。


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