◆週明け11日の香港マーケットは、米株高を支えに下値を固める展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は安定的。8日の米株市場は、米経済の先行き楽観で買われる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.4％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.4％高とそろって続伸している。NYダウは2022年1月以来、ナスダック指数は22年4月以来の高値水準を回復した。11月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が予想を上回り、米ミシガン大学が発表した12月の消費者信頼感指数（確報値）は5カ月ぶりに上昇した。また、ミシガン大学による1年先の期待インフレ率が前月から低下し、21年3月以来の低い水準となっている。
　一方、内部的には好悪材料が入り混じる状況。9日に中国で公表された11月の物価統計は、消費者物価指数（CPI）と生産者物価指数（PPI）がそろってマイナス幅を拡大した。デフレ進行を受け、消費活動の弱さが改めて意識されている。それより先、7日発表の貿易統計は、人民元建て輸出がプラス成長を回復したものの、輸入の伸びが大幅に鈍化した。ただ、政策期待は持続。国営メディアは8日、今月の中央政治局会議が同日開催されたと伝えた。報道によれば、財政政策を強化し、景気回復を支援する方針という。また、翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」は、今月中に開催される見通しだ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは下値固めの展開か。中国の景気不安は依然としてくすぶっているが、経済対策の期待感も高まっている。また、米株高も支えだ。


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