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2024/04/05 08:39

売り先行か、外部環境に不透明感 無料記事

◆休場明け5日の香港マーケットは、外部環境の不透明感で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。4日の米株市場は、米利下げ期待の後退と中東地域の地政学リスクで売られる展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.4%安と4日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.4%安と反落している。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は4日、「インフレが落ち着かなかった場合、年内の利下げは実施しない可能性がある」と発言。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長などFRB高官からはこのところ、利下げに慎重なスタンスを示す発言が相次いでいる。中東情勢を巡っては、イスラエル軍が4日、イランによる報復に備えるため、全戦闘部隊の休暇を一時停止した。シリア首都ダマスカスにあるイラン大使館周辺でイスラエル軍によるとみられる空爆があり、イラン政府関係者などが死亡。イラン政府はイスラエルに報復すると表明した。原油相場は一時、約5カ月ぶりの高値。インフレ高進の懸念も高まった。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は、前日比14.1%高の16.35で終了。昨年11月1日以来、約5カ月ぶりの水準を付けた。
 一方、中国国内の環境は悪くない。中国経済の持ち直しが期待されている。官民が公表した3月の景況感指数はそろって上向いた。また、中国当局は産業支援や消費刺激などの経済対策や、相場テコ入れに向けた施策を強めている。ただ、不動産デベロッパーを巡る不安材料は依然としてくすぶる状況。大手各社が報告した3月の月次統計では、住宅販売の低調継続が明らかにされたほか、債務問題の解決にも時間がかかるとみられている。
 なお、本土市場はきょう5日、前日に続き清明節で休場。取引再開は週明け8日となる。
 こうした中、本日の香港マーケットは苦戦を強いられそうだ。上述したように、米利下げ期待の後退や中東地域の地政学リスクが香港でも嫌気されよう。本土市場が休場となるなど、中国本土発の手がかりに不足していることもマイナスだ。


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