◆12日の香港マーケットは、米利上げ観測の後退でしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は良好。11日の米株市場は、米連邦準備理事会（FRB）の追加利上げ懸念が和らぐ中、主要指標のNYダウが前日比0.3％高と3日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.1％高と続伸している。著名Fed（連邦準備制度）ウオッチャー（FRBの情勢に詳しい専門家）で知られる米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）のニック・ティミラオス記者は10日、「FRBは利上げに慎重なスタンスを示しつつある」との見解を示した。来週の米連邦公開市場委員会（FOMC）では、利上げ見送りの観測が優勢となっている。電気自動車のテスラ株が急上昇したことも投資家心理を上向かせた一因。大手ブローカーは最新リポートで、テスラ開発のスーパーコンピューターを高評価した。同社株は10％上昇している。
　中国国内の環境もそれほど悪くない。景気懸念はくすぶるものの、当局は経済対策を強めている。通貨安のけん制スタンスもプラスだ。中国人民銀行（中央銀行）は11日の声明で、「金融当局は人民元相場の安定に自信を持っている」とし、投機的な動きをけん制。11日の外国為替市場では、対米ドルの人民元が大幅な元高に転じて推移した。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。上述したように、米追加利上げ観測の後退が材料視されよう。また、人民元安の過度な警戒感が和らいでいることも好材料だ。


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