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2024/06/06 08:44

買い先行か、米ハイテク株高と米利下げ観測が追い風に 無料記事

◆6日の香港マーケットは、米ハイテク株高と米利下げ観測を追い風に買い先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。5日の米株市場は、賃金インフレの懸念後退が投資家心理を上向かせる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.3%高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.0%高と3日続伸している。ナスダック指数は史上最高値を更新した。4月の米雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数が予想以上に前月から減少したことに続き、5月のADP全米雇用リポート(民間)も非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)が予想を下回り、伸び率は今年1月以来の低い水準となっている。賃金上昇の圧力が弱まるとの見方が広がるなか、米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げする確率も高まった。米債券市場では、米10年債利回りが約2カ月ぶりの低い水準で終了している。個別では、人工知能(AI)ブームをけん引する米半導体大手エヌビディアが5.2%高と3日続伸。時価総額は3兆米ドルを突破した。アップルを追い抜き、マイクロソフトに次ぐ世界2位に浮上している。ADR(米国預託証券)上場する中国銘柄もしっかり。中国企業のADRで構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が1.6%上昇した。
 内部環境も悪くない。中国景気の持ち直し期待が高まっている。5日に公表された5月の財新中国サービス業PMI(民間集計)は予想を上回る54.0に上昇し、景況判断の境目となる50を16カ月連続で超えた。先行して3日に発表された財新中国製造業PMIも上振れし、約2年ぶりの高水準を回復している。国家統計局によるPMIは軟調だったが、民間の内容が大幅に改善した。米格付け大手ムーディーズは3日、2024年の中国経済成長率予測を4.0→4.5%に引き上げている。
 なお、中国では来週にかけ、5月の重要経済指標が相次ぎ公表される予定(7日に外貨準備高や貿易統計、12日に物価統計、15日までに金融統計など)。また、週明け10日は端午節の祝日で本土と香港の市場が休場となる。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは買い先行しそうだ。上述したように、米ハイテク株高と米利下げ期待が追い風となる。また、足元で売り材料視されていた原油相場の下落が一服したことも買い安心感につながろう(昨夜のWTI原油先物は1.1%高で6日ぶり反発)。


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