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2020/06/03 09:11

底堅く推移か、内外環境が安定的 無料記事

◆3日の香港マーケットは、内外環境の安定で底堅く推移する展開か。
 外部環境は安定的。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.1%高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%高と3日続伸した。NYダウは約3カ月ぶりの高値水準を回復している。人種差別の抗議デモは全米で拡大しているものの、相場に対する影響は限定的で、経済回復の期待が勝った。新型コロナウイルス感染拡大が深刻だったニューヨーク市では市長が2日、黒人暴行死に対する抗議行動が一部で暴徒化しているなかでも、同市の経済活動を8日から段階的に再開する計画に変更はないと明言している。経済対策の期待も高まる状況。米メディアは2日、「トランプ米政権は次の景気刺激パッケージを検討している」と政権高官を引用して報じた。また、米中で交わした「第1段階の通商合意」が破棄されるとの懸念も後退。米メディアは2日、「米国の大豆輸出業者は、中国の国有企業向けに販売をした」と伝えた。一部メディアが前日、「中国政府は国営企業に対し、大豆や豚肉など一部農産品の輸入停止を指示した」と報道されていただけに、いったん過度な不安が薄らいでいる。
 一方、2日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.2%高と4日続伸。3月12日以来、約2カ月半ぶりの高値水準を切り上げている。中国経済の持ち直し期待が続いた。1日公表された民間集計の5月・財新中国製造業PMIが50.7となり、予想(49.6)を大幅に上回った点が引き続き材料視されている。新型コロナウイルス感染拡大で停止していた経済活動は、徐々に回復しつつある状況だ。中国汽車工業協会は2日、5月の新車販売台数が2カ月連続で前年同月の実績を上回るとの見通しを発表している。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅く推移か。世界的に経済活動の再開が進んでいるうえ、各国の経済対策に対する期待も大きい。中国人民銀行(中央銀行)の副総裁は昨日の会見で、「金融面と信用面でさらなる政策支援が必要だ」との認識を述べている。
 また、オンラインゲーム大手の網易(ネットイーズ:9999/HK)が昨日、新興株式公開(IPO)の公募を開始し、昨年11月に上場した阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)の応募倍率を大幅に上回る規模で推移していることもプラス材料。相場活性化の思惑も強まる。


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