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2024/05/21 08:50

高値警戒感で売り先行か、好材料の出尽くし感も 無料記事

◆21日の香港マーケットは、高値警戒感で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は中立。20日の米株市場は、個別株動向に左右され、方向感を欠く展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.5%安と反落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%高と3日ぶりに反発し、史上最高値を更新している。金融大手JPモルガンが4.5%安と急落。ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は投資家説明会で早期退職を示唆したほか、大量の自社株買いはできないと発言し売り材料視された。他の金融株にも売りが波及し、NYダウの重しとなっている。NYダウは先週、最高値を更新したこともあり、売りも出やすかった。他方、22日に決算報告するエヌビディアが2.5%上昇し、ハイテク株の上昇をけん引。複数のアナリストが目標株価を引き上げたことを受け、好業績を期待した先回り買いが入った。
 一方、内部環境は良好。中国政府が景気支援スタンスを強める中、国内経済の持ち直しペースが加速すると期待されている。中国は超長期特別国債の発行で財政政策を強化するほか、生産設備の更新と消費財の買い替えを推進。半導体や不動産など、各種産業の支援策も拡充している。中国人民銀行(中央銀行)は20日、銀行貸出の指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」を予想通り据え置いたが、一部のエコノミストは「年内にあと1〜2回の引き下げ余地がある」と指摘。また、追加の預金準備率引き下げの可能性もあると見通した。
 なお、中国では来週27日に4月の工業企業利益、31日に5月の製造業PMI(国家統計局などが集計)などが公表される。また、香港では足元で「ニューエコノミー」銘柄の四半期決算報告が集中。21日に小鵬汽車(9868/HK)、22日に快手科技(1024/HK)や金山軟件(3888/HK)、23日に小米集団(1810/HK)や網易(9999/HK)などが予定されている。前日は新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が決算発表。予想を下回る36%減益と苦戦し、昨夜の米市場では同社のADR(米国預託証券)が12.8%安と急落している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは新規の買い材料に乏しい中で売りが先行しそうだ。前日の相場では、上海総合指数が約8カ月半ぶり、ハンセン指数が約9カ月半ぶりの高値水準を回復したとあって、高値警戒感も意識される状況だ。


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