/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2020/05/11 08:57

買い先行か、米中対立の懸念後退 無料記事

◆週明け11日の香港マーケットは、米中対立の懸念後退で買われる展開か。
 外部環境はポジティブ。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.9%高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.6%高と5日続伸した。米中対立の警戒感が薄らぎ、投資家のセンチメントが改善。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表とムニューシン米財務長官は7日夜(日本時間8日午前)、中国の劉鶴副首相と会談し、「第1段階の通商合意」の履行で成果を上げるために両国が努力することで一致した。USTRと米財務省は協議について、「良い進展がみられた」と声明している。新型コロナウイルス感染拡大の“責任論”を巡り、米国が対中圧力を強めていたが、双方はひとまず歩み寄りの姿勢を見せた形だ。また、多くの州で経済活動が再開されていることもプラス。さらに米アップルは8日、来週から全米の一部店舗で営業を再開すると発表した。なお、この日公表された4月の米雇用統計は過去最大の減少幅を記録したが、市場予想ほどで悪化していなかったとの見方もあり、嫌気する売りは限定されている。
 一方、8日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比0.8%高と反発。3月12日以来、約2カ月ぶりの高値水準を回復している。投資家のリスク回避スタンスが後退。米中の通商交渉担当者が電話会談し、米中対立の警戒感が和らいだ。中国の政策にも期待感が広がる。工業和信息化部(工業情報化部)は7日、「モバイルIoT(モノのインターネット)の全面的な発展を進めるための通知」を発表した。政府が人工知能(AI)やIoT、第5世代(5G)ネットワークなど「新インフラ」建設に注力するなか、関連銘柄を物色する動きも強まっている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として買いが先行しそうだ。米中対立の懸念後退が投資家心理を上向かせよう。トランプ米大統領は8日、新型コロナが中国から世界に感染拡大したことについて、「中国が故意に起こしたとは思わない」と発言し、これまでの中国非難姿勢をトーンダウンさせている。



内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース