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2024/12/19 08:38

売り先行か、FOMC結果を受けた米金利高が逆風 無料記事

◆19日の香港マーケットは、米金利高を嫌気し売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。18日の米株市場は、米利下げ期待の後退で売りが広がる展開だった。主要指標のNYダウが前日比2.6%安と10日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が3.6%安と続落している。報道によると、ダウの10日続落は約50年ぶりだ。米利下げペースの鈍化見通しが投資家心理を冷やしている。この日まで開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、予想通り0.25%利下げを決定したが、2025年の利下げ回数見通しを従来の4回から2回に修正した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はその後の記者会見で、「今後の利下げは慎重に判断していく」などと発言。タカ派(引き締めに積極的)的な内容だったとして、指数の下げは一段と加速した。米債券市場では米10年債利回りが急上昇し、今年5月30日以来の水準に達している。また、米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日比で74.04%高い27.62で終了。再び節目の20を上回り、8月7日以来の高水準を付けた。
 中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.4%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が4.9%安、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が3.6%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が2.5%安と下げが目立っている。
 商品相場は、原油相場が0.7%高と3日ぶりに反発する一方、金先物は0.3%安と5日続落。ロンドン金属取引所(LME)では、アルミなど主要産品が概ね下落した。
 一方、内部環境はそれほど悪くない。11月の中国経済統計が弱い内容となる中、当局は景気支援の動きを強めるとの見方が広がっている。エコノミストからは、中国政府は近く金融緩和策を打ち出す見通しとの声も聞かれた。当局の株価対策もプラス。国務院国有資産監督管理委員会は17日、中央企業(中央政府直属の国有企業)傘下企業の価値向上に向け、現金配当引き上げなど、時価総額管理の強化を要求した。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。FOMCの結果を受けた米金利高が嫌気されよう。香港は金融政策で米国に追随するため、域内の政策金利も引き下げられたが、来年の利下げ期待は後退している。


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