◆18日の香港マーケットは、米ハイテク株高を支えにしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は良好。17日の米株市場は、過度な米景気懸念の後退で買われる展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.5％高と5日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0％高と6日続伸している。ナスダック指数は連日で史上最高値を更新した。17日公表された6月のNY連銀製造業景況指数はマイナス6.0となり、予想（マイナス10.0）ほど縮小せず、前月（マイナス15.6）から持ち直している。個別では、エヌビディアが上場来高値を更新後に反落したが、アップルやマイクロソフト、テスラなど主力株が上昇した。
　内部的には好悪材料が入り混じる状況。16日までに発表された中国経済指標は、金融や投資、不動産などが弱い内容となる半面、小売統計は大幅に改善した。1〜5月の不動産開発投資は前年同期比で10.1％減少し、縮小率は1〜4月の9.8％から0.3ポイント拡大している。一方、5月の小売売上高は前年同月比で3.7％増加し、市場予想（3.0％）と4月実績（2.3％）を大幅に上回った。
　一方、通商問題を巡り、中国と西側諸国が対立を深めていることは不安材料。中国商務部は17日、欧州連合（EU）からの輸入豚肉などに対し、反ダンピング（不当廉売）調査を開始すると発表。EUが中国製の電気自動車（EV）に追加関税を課すと決定したことへの報復措置とみられる。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。米ハイテク株高が改めて材料視されそうだ。ただ、上述したように、対外関係の悪化懸念が重しとなる可能性もあるので注意したい。


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