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2020/05/14 09:12

上値の重い展開か、経済持ち直しの期待後退 無料記事

◆14日の香港マーケットは、経済持ち直しの期待後退で上値の重い展開か。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比2.2%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.6%安と続落した。景気の先行き懸念が改めて意識される。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は13日、「米経済は前例のない下振れリスクにさらされている」とオンラインセミナーで指摘。新型コロナウイルスの打撃が長引く恐れがある――との見解を示した。国連経済社会局(DESA)は同日、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)による影響で、2020年の世界経済は3.2%のマイナス成長に陥るとの見通しを発表している。また、一部の州で新型コロナ感染が増加しているとの報告もあり、感染拡大「第2波」の警戒感も続いた。
 一方、13日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.2%高と反発。中国の政策期待が相場を支えた。中国国務院(内閣に相当)は12日、新型コロナウイルス感染拡大の影響に対処するため、中小企業に対する金融支援のほか、民間投資や消費支出を拡大させる方針を改めて示した。これより先、中国人民銀行(中央銀行)が10日に公表した1〜3月の金融政策執行報告では、「過剰流動性回避」の文言が削除されている。金融緩和を示唆した格好だ。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の政策期待は支えとなるものの、経済持ち直しの期待がやや後退したことはマイナスだ。上述した米国と同様に、中国でも新型コロナ感染者が再拡大している。感染者が増えた吉林市や武漢市などでは、一部で隔離措置がとられるなど行動規制が再び強化された。経済活動の正常化に時間がかかる恐れがある。また、あす15日には、4月の各種経済指標(鉱工業生産や小売売上高など)が集中して発表される予定。結果を見極めたいとするスタンスが強まる可能性もあろう。
 なお、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)は昨日引け後に1〜3月期決算を発表。「巣ごもり消費」の広がりでゲーム収入が急増する中、減益予想に反して増益(前年同期比6%増)を確保した。


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