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2024/09/09 08:45

売り先行か、米中の景気懸念が重しに 無料記事

◆週明け9日の香港マーケットは、米中の景気懸念で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。6日の米株市場は、米経済の減速懸念で売られる展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.0%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.6%安と急反落している。8月米雇用統計の結果を受け、米景気の減速が意識された。雇用統計では、失業率は改善したものの、(非農業部門の)雇用者数の伸びが予想に届かず、6月と7月分が下方修正された。また、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は6日に講演し、「大幅利下げ」の可能性に言及。市場では、米経済のリセッション(景気後退)も連想された。
 中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が0.8%下落している。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が3.3%安、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が2.9%安、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が1.6%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が1.5%安などと値を下げた。
 資源相場に関しては、5日のWTI原油先物が2.1%安で5日続落。一時、昨年6月以来の安値を付けた。金先物価格は反落。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品の先物価格が軒並み下落した。
 内部環境も不透明。中国で今週、8月の各種経済統計が集中して発表されることが気がかりだ(9日に物価、10日に貿易、14日に小売売上高や鉱工業生産など、15日までに金融)。本日朝方(日本時間10時半ごろ)に公表される物価統計に関しては、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比プラス0.7%(前月はプラス0.5%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス1.5%(同マイナス0.8%)で着地するとの見通しが市場コンセンサスとなっている。企業活動の目安にもなるPPIの動向によっては、中国経済の先行き不安が一段と強まる可能性もありそうだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは苦戦を強いられよう。米中の景気懸念がくすぶっていることや、資源価格の下落がマイナス材料だ。また、中国指標の発表が集中することも買い手控えにつながろう。香港市場については、台風警報で休場となった先週6日に、本土株が下落したことも重しだ。


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