◆7日の香港マーケットは、内外環境の改善が支えも高値警戒感で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はポジティブ。6日の米株市場は、年内の米利下げ観測が投資家心理を上向かせる展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.5％高と4日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.2％高と3日続伸している。景気鈍化を示唆する指標が相次ぎ、米連邦準備理事会（FRB）は年内利下げするとの期待が強まる状況だ。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は6日、「次の動きは利下げの公算が大きい」と発言している。米債券市場では、米10年債利回りの低下が続いた。半導体株の見直し買いもプラス。大手のマイクロン・テクノロジーがアナリストの投資判断引き上げで大幅上昇し、同業他社株に買いが波及した。フィラデルフィア半導体株指数（SOX）は2.2％上昇し、主要指数をアウトパフォームしている。
　内部環境も安定的。中国経済の持ち直しが期待されている。中国商務部によると、今年のメーデー連休（1〜5日）期間中、全国重点小売・飲食企業の売上高は前年同期比で6.8％増加した。国内旅行者数は新型コロナウイルス流行前の2019年同期との比較で、およそ28％超増加している。また、5日閉幕した中国最大級の貿易商談会、「第135回中国輸出入商品交易会（2024年春季広州交易会）」の来場者数は過去最大を記録した。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。上述したように、内外環境の改善が支えだ。ただ、ハンセン指数は前日まで10連騰し、約8カ月ぶりの高値水準を回復しているとあって、売り圧力も高まっている（上海総合指数も約8カ月ぶりの高値）。買い進む動きは限定的となろう。


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