2024/11/13 08:46
売り先行か、米中対立の激化を警戒
◆13日の香港マーケットは、米中対立の激化懸念で売りが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。12日の米株市場は、米金利高が相場の重しとなる展開だった。主要指標のNYダウは前日比0.9%高と3日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.1%安と6日ぶりにそれぞれ反落している。次期トランプ政権の政策でインフレが再加速すると警戒される中、米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き、今年7月上旬以来の高水準で推移した。また、今週は10月の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)などが公表されるため、内容を見極めたいとするムードも漂っている。主要株価指数は前日まで連日で史上最高値を更新していたとあって、売り圧力も高まっていた。
米中関係の悪化懸念もくすぶる。次期トランプ政権の人事を巡っては、国務長官に対中強硬派のマルコ・ルビオ上院議員を指名する見通しと伝わったほか、重要ポストに対中強硬派で知られる議員らの名前が相次ぎ挙げられた。「タリフ(関税)マン」を自称するトランプ次期大統領の公約では、中国からの輸入品に一律60%の関税をかける。米中の対立は不可避だ。
中国銘柄が急落。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は4.5%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が10.7%安、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が9.5%安、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が7.5%安、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が7.3%安と下げが目立っている。
商品相場に関しては、原油相場が0.1%高と3日ぶりに小反発する一方、金先物は3日続落。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品の値下がりが続いた。
一方、中国では主要企業の決算報告や重要経済指標の発表が気がかり。13日に騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)、14日に京東集団(JDドットコム:9618/HK)、京東物流(JDロジスティクス:2618/HK)、吉利汽車(175/HK)、網易(ネットイース:9999/HK)、15日に阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)などが四半期決算を公表する予定だ。経済指標では、15日に10月の各種統計(小売売上高や鉱工業生産など)が集中して発表される。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。中国の追加経済対策に対する期待感は根強いものの、目先では米中関係の激化懸念が相場を冷やす要因として勝っている。また、米金利高が重しとなるほか、中国の企業業績や経済動向を見極めたいとするスタンスも買い手控え要因として意識されよう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はやや不透明。12日の米株市場は、米金利高が相場の重しとなる展開だった。主要指標のNYダウは前日比0.9%高と3日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.1%安と6日ぶりにそれぞれ反落している。次期トランプ政権の政策でインフレが再加速すると警戒される中、米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き、今年7月上旬以来の高水準で推移した。また、今週は10月の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)などが公表されるため、内容を見極めたいとするムードも漂っている。主要株価指数は前日まで連日で史上最高値を更新していたとあって、売り圧力も高まっていた。
米中関係の悪化懸念もくすぶる。次期トランプ政権の人事を巡っては、国務長官に対中強硬派のマルコ・ルビオ上院議員を指名する見通しと伝わったほか、重要ポストに対中強硬派で知られる議員らの名前が相次ぎ挙げられた。「タリフ(関税)マン」を自称するトランプ次期大統領の公約では、中国からの輸入品に一律60%の関税をかける。米中の対立は不可避だ。
中国銘柄が急落。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は4.5%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が10.7%安、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が9.5%安、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が7.5%安、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が7.3%安と下げが目立っている。
商品相場に関しては、原油相場が0.1%高と3日ぶりに小反発する一方、金先物は3日続落。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品の値下がりが続いた。
一方、中国では主要企業の決算報告や重要経済指標の発表が気がかり。13日に騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)、14日に京東集団(JDドットコム:9618/HK)、京東物流(JDロジスティクス:2618/HK)、吉利汽車(175/HK)、網易(ネットイース:9999/HK)、15日に阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)などが四半期決算を公表する予定だ。経済指標では、15日に10月の各種統計(小売売上高や鉱工業生産など)が集中して発表される。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。中国の追加経済対策に対する期待感は根強いものの、目先では米中関係の激化懸念が相場を冷やす要因として勝っている。また、米金利高が重しとなるほか、中国の企業業績や経済動向を見極めたいとするスタンスも買い手控え要因として意識されよう。
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