2024/12/04 08:56
上値の重い展開か、米中対立激化を警戒
◆4日の香港マーケットは、米中対立の激化懸念で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は中立。3日の米株市場は、米雇用情勢の見極めで方向感を欠く展開だった。主要指標のNYダウは前日比0.2%安と続落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.4%高と3日続伸し、連日で史上最高値を更新している。ほか、機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数が0.04%上昇し、小幅ながら連日で最高値を更新した。今週は雇用関係の指標発表が相次ぐ。4日に10月のADP全米雇用リポート、6日に11月の米雇用統計が予定されている。先行して3日に公表された10月の米雇用動態調査(JOLTS)では、非農業部門の求人件数が予想を上回った。米雇用統計が強い内容となる可能性が市場関係者から指摘される中、インフレ圧力の高まりも警戒されている。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.2%高と4日続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、新東方教育科技集団(EDU/NYSE、9901/HK)が6.5%高、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が5.3%高、微博(ウェイボー:9898/HK、WB/NASDAQ)が1.4%高と上げが目立っている。
商品相場に関しては、原油相場が2.7%高と続伸し、金先物が0.4%高と反発。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が軒並み上昇した。
一方、内部環境は安定的。中国景気の持ち直しや、追加経済対策の期待感が続いている。外電は3日、消息筋情報として、翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」は、来週11日から2日間の日程で開催される見通し――と報じた。金融・財政政策を強めるとの期待が根強く、会議の後、預金準備率が引き下げられるとの見方も広がっている。
ただ、米中対立激化の警戒感は強まる状況。中国商務部は3日、ガリウムやゲルマニウム、アンチモンなど半導体材料となるデュアルユース(軍事と民生の両用)に関連する物資の米向け輸出規制を強化すると発表した。バイデン米政権が2日、新たな対中半導体規制を発表したことに対する対抗措置とみられる。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の追加経済対策に対する期待感や、資源相場の上昇などは支えとなりそうだが、米中対立の激化がマイナス材料だ。また、外国為替市場で対米ドルの人民元安が進行していることも不安視されよう。
なお、本日は(日本時間10時45分ごろ)、11月の財新中国サービス業PMI(民間集計)が発表される予定。最新のコンセンサス予想では、10月の52.0から52.4にやや上向く見通しだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は中立。3日の米株市場は、米雇用情勢の見極めで方向感を欠く展開だった。主要指標のNYダウは前日比0.2%安と続落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.4%高と3日続伸し、連日で史上最高値を更新している。ほか、機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数が0.04%上昇し、小幅ながら連日で最高値を更新した。今週は雇用関係の指標発表が相次ぐ。4日に10月のADP全米雇用リポート、6日に11月の米雇用統計が予定されている。先行して3日に公表された10月の米雇用動態調査(JOLTS)では、非農業部門の求人件数が予想を上回った。米雇用統計が強い内容となる可能性が市場関係者から指摘される中、インフレ圧力の高まりも警戒されている。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.2%高と4日続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、新東方教育科技集団(EDU/NYSE、9901/HK)が6.5%高、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が5.3%高、微博(ウェイボー:9898/HK、WB/NASDAQ)が1.4%高と上げが目立っている。
商品相場に関しては、原油相場が2.7%高と続伸し、金先物が0.4%高と反発。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が軒並み上昇した。
一方、内部環境は安定的。中国景気の持ち直しや、追加経済対策の期待感が続いている。外電は3日、消息筋情報として、翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」は、来週11日から2日間の日程で開催される見通し――と報じた。金融・財政政策を強めるとの期待が根強く、会議の後、預金準備率が引き下げられるとの見方も広がっている。
ただ、米中対立激化の警戒感は強まる状況。中国商務部は3日、ガリウムやゲルマニウム、アンチモンなど半導体材料となるデュアルユース(軍事と民生の両用)に関連する物資の米向け輸出規制を強化すると発表した。バイデン米政権が2日、新たな対中半導体規制を発表したことに対する対抗措置とみられる。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の追加経済対策に対する期待感や、資源相場の上昇などは支えとなりそうだが、米中対立の激化がマイナス材料だ。また、外国為替市場で対米ドルの人民元安が進行していることも不安視されよう。
なお、本日は(日本時間10時45分ごろ)、11月の財新中国サービス業PMI(民間集計)が発表される予定。最新のコンセンサス予想では、10月の52.0から52.4にやや上向く見通しだ。
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