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2024/08/23 08:42

上値の重い展開か、内外環境が不透明 無料記事

◆23日の香港マーケットは、内外の不安材料で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は不透明。21日の米株市場は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演を前に買いが手控えられる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.4%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.7%安と反落している。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は23日、ジャクソンホール会議(各国の中央銀行関係者が集まる国際経済シンポジウム)で講演する予定。米金融政策に対する発言を見極めたいとするスタンスが様子見ムードを強めさせた。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが決定されるとの見方は根強いものの、その後の金利見通しなどが気がかり。米債券市場で米10年債利回りが上昇に転じ、ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株に逆風となった。
 中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.5%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、網易(ネットイース:9999/HK、NTES/NASDAQ)が11.2%安、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が7.6%安、百度(バイドゥ:9888/HK、BIDU/NASDAQ)が4.4%安などと値を下げている。ネットイースが公表した4〜6月期決算では、1株利益は市場予想を上回ったものの、売上高が下振れた。また、百度の4〜6月期決算は売上高と利益がそろって上振れたが、主力事業の広告収入は低迷。株価はプレマーケットで上昇したが、その後は下げた。
 内部的にも不安材料がある。中国人民銀行(中央銀行)の資金吸収スタンスがマイナスだ。人民銀は22日、リバースレポを通じ3593億人民元を供給したが、満期日との差し引きで2184億人民元の資金が吸収された。人民銀は21日にも差し引きで1112億人民元の資金を吸収している。
 なお、香港では主要な上場企業の中間決算報告が佳境に入っている。きょう23日は中国石油化工(386/HK)や龍湖集団HD(960/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、新奥能源HD(2688/HK)、紫金鉱業集団(2899/HK)、洛陽欒川モリブデン業集団(3993/HK)、週明け26日は康師傅HD(322/HK)や中国石油天然気(857/HK)、北京汽車(1958/HK)などが決算発表する予定だ
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、内外の懸念材料が投資家心理を冷やす一因となろう。また、貿易摩擦が続いていることも不安要素だ。


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