2024/09/27 08:43
上値追いか、内外環境が安定
◆27日の香港マーケットは、内外環境の安定で買い継続か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は良好。26日の米株市場は、景気期待が高まる中で買われる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.6%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%高と4日続伸している。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数は0.4%上昇し、再び市場最高値を更新した。中国の追加景気刺激策が好感されたほか、堅調な米経済指標も材料視されている。米労働省が26日発表した新規失業保険申請件数(週間)は予想に反して減少し、4カ月ぶりの低水準。4〜6月期の実質国内総生産(GDP)確定値は前期比3.0%増で改定値から変わらず、9四半期連続のプラスだった。伸びは前期(1.6%増)から拡大している。イエレン米財務長官は26日、足元の経済指標が堅調だったことを受け、米経済はソフトランディング(軟着陸)に向かっているとの認識を示した。個別では、半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーが14.7%高。6〜8月期決算が予想を上回ったうえ、9〜11月期も強気な見通しを示した。ハイテク株全般の追い風となっている。
中国銘柄も急伸。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は10.9%高と急反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が15.4%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が14.4%高、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が11.9%高などと値を上げている。ビリビリについては、ゴールドマン・サックスが投資判断と目標株価を引き上げたことも材料視された。
資源相場に関しては、NY商品市場でWTI原油先物が2.9%安と大幅続落する一方、金先物価格は連日で最高値を更新している。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね上昇した。
内部環境もポジティブ。中国当局は今年の経済成長目標(5.0%前後)達成のため、景気支援スタンスを強めている。中国共産党は26日、中央政治局会議を開催し、財政・金融政策によるカウンターシクリカル調整機能を強化する方針を確認した。習近平・国家主席は十分な財政支出を政府に求め、不動産市場を安定化させる必要性に言及している。中央政治局会議は通常、毎月末に開かれるが、外電によると、9月の同会議で経済が議題となるのは異例だ。それより先、中国人民銀行(中央銀行)など主要な金融当局が24日、共同で記者会見し、金融緩和や不動産業支援、株価テコ入れなど広範な施策を明らかにしている。そのほか、上海市政府は25日、総額5億人民元(約103億円)の消費券を配布する方針を明らかにした。他の地方政府も同様の支援策を打ち出すとの期待が広がっている。
なお、中国ではきょう27日に8月の工業企業利益、週明け30日に9月の購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などによる)が公表されるほか、国慶節の大型連休が来週にスタートする(中国本土は10月1〜7日が休場、香港は1日が休場)。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは上値追いの展開か。中国指標の発表や中国の大型連休など気がかり材料はあるものの、米国の景気期待と中国の追加景気刺激策が引き続き材料視されそうだ。ただ、このところの上昇ピッチが早いだけに、売り圧力が高まっていることには注意したい(前日のハンセン指数は4.2%高と3日続伸し1年2カ月ぶり高値、上海総合指数は3.6%高と7日続伸し3カ月ぶり高値)。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は良好。26日の米株市場は、景気期待が高まる中で買われる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.6%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%高と4日続伸している。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数は0.4%上昇し、再び市場最高値を更新した。中国の追加景気刺激策が好感されたほか、堅調な米経済指標も材料視されている。米労働省が26日発表した新規失業保険申請件数(週間)は予想に反して減少し、4カ月ぶりの低水準。4〜6月期の実質国内総生産(GDP)確定値は前期比3.0%増で改定値から変わらず、9四半期連続のプラスだった。伸びは前期(1.6%増)から拡大している。イエレン米財務長官は26日、足元の経済指標が堅調だったことを受け、米経済はソフトランディング(軟着陸)に向かっているとの認識を示した。個別では、半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーが14.7%高。6〜8月期決算が予想を上回ったうえ、9〜11月期も強気な見通しを示した。ハイテク株全般の追い風となっている。
中国銘柄も急伸。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は10.9%高と急反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が15.4%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が14.4%高、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が11.9%高などと値を上げている。ビリビリについては、ゴールドマン・サックスが投資判断と目標株価を引き上げたことも材料視された。
資源相場に関しては、NY商品市場でWTI原油先物が2.9%安と大幅続落する一方、金先物価格は連日で最高値を更新している。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね上昇した。
内部環境もポジティブ。中国当局は今年の経済成長目標(5.0%前後)達成のため、景気支援スタンスを強めている。中国共産党は26日、中央政治局会議を開催し、財政・金融政策によるカウンターシクリカル調整機能を強化する方針を確認した。習近平・国家主席は十分な財政支出を政府に求め、不動産市場を安定化させる必要性に言及している。中央政治局会議は通常、毎月末に開かれるが、外電によると、9月の同会議で経済が議題となるのは異例だ。それより先、中国人民銀行(中央銀行)など主要な金融当局が24日、共同で記者会見し、金融緩和や不動産業支援、株価テコ入れなど広範な施策を明らかにしている。そのほか、上海市政府は25日、総額5億人民元(約103億円)の消費券を配布する方針を明らかにした。他の地方政府も同様の支援策を打ち出すとの期待が広がっている。
なお、中国ではきょう27日に8月の工業企業利益、週明け30日に9月の購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などによる)が公表されるほか、国慶節の大型連休が来週にスタートする(中国本土は10月1〜7日が休場、香港は1日が休場)。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは上値追いの展開か。中国指標の発表や中国の大型連休など気がかり材料はあるものの、米国の景気期待と中国の追加景気刺激策が引き続き材料視されそうだ。ただ、このところの上昇ピッチが早いだけに、売り圧力が高まっていることには注意したい(前日のハンセン指数は4.2%高と3日続伸し1年2カ月ぶり高値、上海総合指数は3.6%高と7日続伸し3カ月ぶり高値)。
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