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2020/03/17 09:00

神経質な値動きか、新型コロナの動揺収まらず 無料記事

◆17日の香港マーケットは、新型コロナの警戒感で神経質な値動きか。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前営業日比12.9%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が12.3%安とそろって急反落した。NYダウは2997.10ドル下落し、12日に記録した過去最大の下げ幅を更新している。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、ヒトとモノの移動に制限がかかるなかで、世界的なリセッション(景気後退)の警戒感が高まった。米疾病対策センター(CDC)は16日、米国内で確認された新型コロナ感染者が3536人となり、先週金曜の13日から1858人増加したと発表。欧州で最も深刻なイタリアでは16日、新型コロナ感染による死者が2158人に達し、わずか4日間で1000人以上増加したことが判明している。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は、前日比で43.0%高の82.69ポイントと急上昇。終値ベースでは、2008年のリーマンショック時に付けた記録を上回った。
 一方、16日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が3.4%安と大幅に4日続落。2月4日以来、5週ぶりの安値水準に落ち込んでいる。中国指標の記録的な悪化が不安視された。取引時間中に公表された今年1〜2月の各種統計では、小売売上高や鉱工業生産、固定資産投資などが軒並み予想以上に減少。なかでも小売売上高は前年同期比で20.5%減少し(予想は4.0%減)、統計開始以来初のマイナス成長に陥った。中国人民銀行(中央銀行)が預金準備率を引き下げたことなどが好感され小高くスタートしたものの、指数はほどなくマイナスに転換。中盤以降は下落幅を拡大した。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。世界各国が一段の金融緩和策を打ち出すなど、政策に対する期待感は根強いものの、足元の景気不安は払しょくされていない。香港・中国では主要企業の決算発表がスタートしているため、業績動向を見極めたいとするスタンスも買い手控えにつながろう。本日は、神州租車(699/HK)や閲文集団(772/HK)、万科企業(2202/HK)、あす18日は、騰訊HD(700/HK)や電能実業(6/HK)、中国光大国際(257/HK)、深セン高速公路(548/HK)、中国鉄塔(788/HK)、PRADA(1913/HK)などが通期決算を報告する。


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