◆24日の香港マーケットは、米ハイテク株高を支えにしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はポジティブ。23日の米株市場は、インフレ懸念の後退が投資家心理を上向かせる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.7％高と4日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.6％高と大幅続伸している（NYダウは約2週ぶりの高値）。S&Pグローバルが発表した4月の購買担当者指数（PMI）速報値は、製造業とサービス業がそろって予想を下回った。インフレが加速するとの不安が薄らぐ中、米債券市場では米10年債利回りも低下している。ハイテクなど高PER（株価収益率）のグロース（成長）株にとっての追い風となった。半導体産業の業績期待も高まる。業界大手のテキサス・インスツルメンツが公表した4〜6月（第2四半期）の売上高見通しは予想を上回り、同社株が時間外取引で一時は約5％上昇した。
　内部環境も安定的。中国当局の経済対策や市場支援策に対する期待感が続いている。財政部予算司の王建凡・司長は22日に記者会見し、発行遅れが指摘された専項債（公益事業向けに資金調達する特別地方債）について、新規発行を急いでいると説明した。
　なお、香港では主要な中国企業の四半期決算発表が始まっている。きょう24日に香港交易所(388/HK)や中国海外発展(688/HK)、中国広核電力(1816/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、長城汽車(2333/HK)、あす25日に江西銅業(358/HK)や中興通訊(763/HK)、中国海洋石油(883/HK)、龍源電力集団(916/HK)、中国アルミ(2600/HK)、中海油田服務(2883/HK)などが報告する予定だ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開となろう。上述したように、米ハイテク株高が好感されそうだ。また、中国企業の業績に着目した物色もみられよう。


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