2024/09/11 08:51
神経質な値動きか、米中指標発表が気がかり
◆11日の香港マーケットは、米中指標発表を控え神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境に目立った手がかりはない。10日の米株市場は、インフレ指標の発表を前に方向感を欠く展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.2%安と反落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.8%高と続伸している。米国では11日に8月消費者物価指数(CPI)、12日に生産者物価指数(PPI)が公表される予定。米連邦準備理事会(FRB)は金融政策でインフレ動向にも注目しているだけに、内容を見極めたいとするスタンスが様子見ムードを強めさせた。金融株安もNYダウの重し。JPモルガン・チェースの経営陣は2025年純金利収入の市場予想は高すぎると指摘し、ゴールドマン・サックスの最高経営責任者(CEO)は7〜9月期のトレーディング収益に慎重な見方を示した。他方、10年債利回りは低下(約1年3カ月ぶりの低水準)。ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株にとっての支えとなった。
中国銘柄は小動き。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.06%高にとどまった。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が3.9%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が2.9%高と上昇する半面、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が1.6%安、網易(ネットイース:9999/HK、NTES/NASDAQ)が1.5%安と下落している。
資源相場に関しては、WTI原油先物が4.3%安と急反落。一時、約1年4カ月ぶりの安値を付けた。ロンドン金属取引所(LME)では、アルミや銅など主要産品の先物価格が下げている。半面、ニューヨーク金先物相場は続伸した。
中国内部にも気がかり材料がある。今週は14日に8月の小売売上高や鉱工業生産など、15日までに金融統計が公表されるとあって模様眺めの一因となりそうだ。これまでに発表された経済指標では、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比0.6%にとどまり、市場予想(0.7%)を下回っている。生産者物価指数(PPI)はマイナス1.8%となり、予想(マイナス1.5%)以上に低下した。また、米ドル建て輸出が前年同月比8.7%増(予想は6.6%増)と上振れる半面、輸入は0.5%増(予想は2.5%増)に下振れている。デフレや企業活動縮小、内需不振などが懸念される内容だ。ただ、輸出が大幅に伸びたことは中国経済にとって明るい材料といえる。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国の景気懸念が依然としてくすぶっているほか、米中の指標発表が買い手控えにつながりそうだ。また、米国の対中圧力が高まっていることも引き続き不安材料として意識されよう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境に目立った手がかりはない。10日の米株市場は、インフレ指標の発表を前に方向感を欠く展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.2%安と反落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.8%高と続伸している。米国では11日に8月消費者物価指数(CPI)、12日に生産者物価指数(PPI)が公表される予定。米連邦準備理事会(FRB)は金融政策でインフレ動向にも注目しているだけに、内容を見極めたいとするスタンスが様子見ムードを強めさせた。金融株安もNYダウの重し。JPモルガン・チェースの経営陣は2025年純金利収入の市場予想は高すぎると指摘し、ゴールドマン・サックスの最高経営責任者(CEO)は7〜9月期のトレーディング収益に慎重な見方を示した。他方、10年債利回りは低下(約1年3カ月ぶりの低水準)。ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株にとっての支えとなった。
中国銘柄は小動き。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.06%高にとどまった。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が3.9%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が2.9%高と上昇する半面、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が1.6%安、網易(ネットイース:9999/HK、NTES/NASDAQ)が1.5%安と下落している。
資源相場に関しては、WTI原油先物が4.3%安と急反落。一時、約1年4カ月ぶりの安値を付けた。ロンドン金属取引所(LME)では、アルミや銅など主要産品の先物価格が下げている。半面、ニューヨーク金先物相場は続伸した。
中国内部にも気がかり材料がある。今週は14日に8月の小売売上高や鉱工業生産など、15日までに金融統計が公表されるとあって模様眺めの一因となりそうだ。これまでに発表された経済指標では、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比0.6%にとどまり、市場予想(0.7%)を下回っている。生産者物価指数(PPI)はマイナス1.8%となり、予想(マイナス1.5%)以上に低下した。また、米ドル建て輸出が前年同月比8.7%増(予想は6.6%増)と上振れる半面、輸入は0.5%増(予想は2.5%増)に下振れている。デフレや企業活動縮小、内需不振などが懸念される内容だ。ただ、輸出が大幅に伸びたことは中国経済にとって明るい材料といえる。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国の景気懸念が依然としてくすぶっているほか、米中の指標発表が買い手控えにつながりそうだ。また、米国の対中圧力が高まっていることも引き続き不安材料として意識されよう。
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