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2024/11/08 08:31

神経質な値動きか、中国財政政策の見極めで 無料記事

◆8日の香港マーケットは、中国財政政策の見極めで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は悪くない。7日の米株市場は、利益確定売りが重しとなったものの、米連邦準備理事会(FRB)の緩和スタンスが全体相場を支える展開。主要指標のNYダウは3日ぶりに反落したが、下げ幅は前日比0.59米ドル安と小幅にとどまった。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.5%高と3日続伸し、前日に続き史上最高値を更新。NYダウは前日に最高値を更新していた。一方、FRBは7日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25%引き下げると決定。利下げは2会合連続となり、金融緩和が米景気を支えると期待された。米債券市場では、米10年債利回りが低下に転じ、ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株にとっての追い風となっている。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は3.5%高と急反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が15.6%高、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が8.9%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が6.6%高と上げが目立っている。
 商品相場に関しては、原油相場が0.9%高と反発し、金先物も反落。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が総じて上昇した。
 内部的には中国の財政政策に期待がかかる。4日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の第12回会議に関しては、最終日のきょう8日に国営メディアが詳細を報じる予定。6兆〜10兆人民元規模の財政政策が打ち出されるとの見方だが、より規模の大きい財政出動が決まる可能性もある。スタンダード・チャータード(スタンチャート)のウェルス・ソリューションズ部門は最新リポートで、トランプ前米大統領のホワイトハウス復帰を受け、中国がより積極的な消費刺激策を実施する可能性を指摘した。中国は第2次トランプ政権による関税政策の矢面に立たされる恐れがあるが、そのマイナス影響はより積極的な消費刺激策によってある程度相殺されるとみている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは中国の政策動向見極めで神経質な値動きか。中国株マーケットの好地合いが続く中、米長期金利の上昇一服や、米ハイテク株高なども相場を後押ししそうだが、打ち出される中国の政策内容によっては、相場が乱高下する恐れもあろう。


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