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2020/07/21 09:11

しっかりか、新型コロナワクチンに期待感 無料記事

◆21日の香港マーケットは、コロナワクチンの期待感で買われる展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的と言える。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比0.03%高と3日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.5%高と大幅続伸した。ナスダック指数は7月10日に付けた史上最高値を更新している。新型コロナウイルスの新規感染者数が高止まりしていることは重しだが、ワクチンを巡るポジティブニュースが相次ぎ、投資家心理が上向いた。世界5大医学雑誌の一つ、英ランセットは20日、英アストラゼネカが英オックスフォード大学と共同で開発中のワクチンについて、初期臨床試験で「安全性と免疫効果が確認された」と発表。また、独バイオベンチャーのバイオNテックと米ファイザーは同日、開発中のコロナワクチンに関する初期臨床試験で得られた追加のデータを公表し、「キラーT細胞」と呼ばれる強固な免疫反応を確認したことを明らかにした。このほか、主要企業の決算発表が始まるなか、好業績が見込めるハイテク株の物色も続く。今週四半期決算を公表するマイクロソフトやアマゾン、テスラなどが急伸している。なお、IBMが引け後に報告した四半期決算は減収減益ながらも1株利益は予想を上回った。同社株は時間外取引で急伸している。
 他方、米中対立の警戒感は高まる状況。米商務省は20日、ウイグル族弾圧に関与したとして、中国企業11社を輸出禁止対象のブラックリストに追加した。
 一方、20日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が3.1%高と大幅続伸。相場の先高観が一段と意識された。中国銀行保険監督管理委員会は17日、保険会社の資金運用規制を緩和する方針を発表。株式市場に長期資金が流入すると期待されている。また、これより先、証券各紙は「株高論」を相次ぎ掲載した。さらに消費刺激やインフラ投資など、中国政府が経済対策を推し進めていることもプラス材料となっている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。米中対立の警戒感は依然としてくすぶるものの、コロナワクチンの期待も強まる状況だ。上述した欧米企業に加え、バイオ医薬品ベンチャーの康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が中国軍事科学院・軍事医学研究院生物工程研究所と共同開発したワクチン「Ad5-nCoV」についても良好な結果が報告されている。研究者らはランセットに掲載した論文で、「中期試験で安全性と免疫効果を確認した」と発表した。


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