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2020/05/21 09:02

買い先行か、米株高と商品市況高が追い風に 無料記事

◆21日の香港マーケットは、米株高と商品市況高を好感し買いが先行しそうだ。
 外部環境はややポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.5%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.1%高とそろって反発した。ナスダック指数は約3カ月ぶりの高値水準を回復し(9375.78ポイント)、2月19日に記録した最高値(9817.18ポイント)が視野に入っている。経済活動の早期正常化が期待された。全米50州は20日までに、新型コロナウイルス感染拡大を抑えるために導入した行動制限について、何らかの解除を始めている。デルタ航空の最高経営責任者(CEO)が20日、今夏に運航が拡大する可能性が高いと述べるなど消費活動の回復も期待される状況だ。また、米連邦準備制度理事会(FRB)が公開した4月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、新型コロナ感染症のパンデミック(世界的流行)による影響に対処するため、長期的な対策策を議論したことが明らかにされている。追加支援策に対する思惑も強まった。
 一方、20日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.5%安と3日ぶり反落した。戻り待ちの売り圧力が意識される。19日の上海総合指数は大きく上昇し、約2カ月ぶりの高値水準を回復していた。新型コロナウイルス感染拡大「第2波」の警戒感もくすぶる。新型コロナの集団感染が発生した吉林省吉林市内の舒蘭市では、一部エリアに外出制限が導入された。吉林省衛生健康委員会の発表によれば、20日午前0時(現地時間)時点で、省内の新型コロナ感染者は計133人に上っている。行動規制は、一部路線バスの運休にも広がった。ただ、下値は限定的。中国の政策に対する期待感が持続するなか、指数はプラス圏で推移する場面もみられた。あす22日には、今年の政策運営や経済成長率などの目標を示す中国の最重要会議、全国人民代表委員会(全人代、国会に相当)が開幕する予定。コロナ禍による景気懸念が根深いなか、新規の経済対策が望まれている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として買いが先行する流れか。昨夜の米株高に加え、原油や非鉄の市況高が投資家のリスク選好を強めさせよう。WTI原油先物は4.8%高と5日続伸し、一時は約2カ月ぶりの高値を付けた。ロンドン金属取引所(LME)では、アルミニウムや銅など主要産品が軒並み上昇している。


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