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2024/09/10 08:42

自律反発狙いの買いが先行か、米株反発も支えに 無料記事

◆10日の香港マーケットは、値頃感に着目した買いが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。週明け9日の米株市場は、前週に急落した反動で、見直し買いが優勢となる展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比1.2%高と3日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.2%高と反発している。先週の相場では、米景気の減速が意識される中、週間でNYダウが2.9%、ナスダック指数が5.8%と大幅に下落していた。先週公表された各種の雇用指標は、労働市場の軟化を示す内容が多く、米景気懸念が高まったものの、ここにきて、「雇用状況はそれほど悪くない」との見方も一部に広がっている。また、今月17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが決定されることは市場でほぼ確実視されているだけに、米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの期待も改めて強まった。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が0.7%上昇している。主要な香港との重複上場銘柄では、新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が11.0%高と大幅続伸。アナリスト予想を上回る強気の販売見通しが引き続き材料視されている。
 資源相場に関しては、6日のWTI原油先物が1.5%高で6日ぶりに反発した。金先物価格も上昇。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品の先物価格が概ね堅調に推移した。
 一方、中国では今週、8月の各種経済統計が集中して発表される(10日に貿易、14日に小売売上高や鉱工業生産など、15日までに金融)。前日公表された物価統計は消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比0.6%にとどまり、市場予想(0.7%)を下回った。生産者物価指数(PPI)はマイナス1.8%となり、予想(マイナス1.5%)以上に低下している。デフレや企業活動縮小が懸念される内容だ。きょう報告予定の貿易統計に関しては、米ドル建て輸出が前年同月比6.6%増(前月は7.0%増)、輸入が2.5%増(前月は7.2%増)に減速するとの予想がコンセンサスとなっている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。指数はこのところの下落で値頃感が高っていることもあり(上海総合指数は7カ月ぶり安値、ハンセン指数は3週ぶり安値)、自律反発狙いの買いが入ることに期待したい。米株が反発したことも支えだ。また、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)の値動きにも注目。中国Eコマース最大手のアリババは9日、同社株が10日から中国本土・香港間ストックコネクト(株式相互取引)の対象に組み入れられると発表した。サウスバウンド(中国本土→香港)資金の流入が期待される。ただ、中国指標の発表は気がかりだ。これまでに発表された中国経済統計は弱い内容が目立っているだけに、結果次第では投資家のリスク回避スタンスが加速する恐れもある。


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