/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2020/05/26 09:03

神経質な値動きか、好悪材料が交錯 無料記事

◆26日の香港マーケットは、好悪材料が交錯するなかで神経質な値動きか。
 外部環境は安定的。昨夜の米英市場は、メモリアルデーで休場だったが、場が開いていた他の欧州市場は主要株価指数が軒並み上昇した(独DAXは前営業日比2.9%高、仏CAC40は2.2%高など)。ドイツのifo経済研究所が25日公表した5月の企業景況感指数は、予想の78.5を上回る79.5に改善。4月の過去最低水準から持ち直している実態が明らかとなっている。ifoの所長は声明で、「今後数カ月の見通しは、かなり改善している」と指摘した。また、日本時間26日朝方の米株先物は、主要指数がそろって上昇。米バイオテクノロジー企業のノババックスが25日、新型コロナウイルスのワクチン候補について、ヒトでの治験を開始した。好感する買いが入っている。
 一方、25日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.2%高と4日ぶり反発。中国の政策に対する期待感が相場を支えている。全国人民代表委員会(全人代、国会に相当)の開幕初日(22日)には、一連の経済政策が公表された。具体的な政策の動きは、これから徐々に出てくるとみられている。経済活動正常化の期待も根強い。新型コロナ流行で停滞していた経済活動は、中国各地で回復が本格化している。中国首都の北京市では24日、新型肺炎の流行中心地、湖北省武漢市に向けて旅客機が飛び立った。ただ、上値は重い。米中対立の悪化が警戒されるなか、指数は安く推移する場面もみられている。オブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)は24日、中国政府が社会統制を強める「香港版国家安全法」を施行した場合、米国で2019年11月末に成立した「香港人権・民主主義法案」に基づいて中国に対する制裁を科す可能性があると述べた。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。海外の株高や中国の政策期待は支えになりそうだが、米中関係の悪化懸念がくすぶっている。上述した「香港版国家安全法」は全人代の最終日、28日の採決される予定。状況を見極めたいとするスタンスが強まれば、買い手控え要因として意識されよう。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース