/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2024/06/04 08:45

方向感を欠く展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆4日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は中立。3日の米株市場は、米景気不安と米金利低下の綱引きでまちまちの展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.3%安と反落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.6%高と4日ぶりに反発している。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した5月の製造業景況感指数は48.2に悪化し、景況判断の境目となる50を2カ月連続で下回った(4月は49.2)。米経済の減速懸念が強まる中、消費関連株や景気敏感株に売りが出ている。他方、米債券市場では米10年債利回りが一段と低下。ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株にとっての追い風となった。個別では、米半導体大手エヌビディアが4.9%高。ジェンスン・ファン(黄仁勲)最高経営責任者(CEO)は2日、台湾大学で講演し、人工知能(AI)向けの新しい半導体の投入計画を明らかにした。
 内部環境には好悪材料が入り混じる。過度な景気懸念の後退はプラスだ。3日発表された5月の財新中国製造業PMI(民間集計)は、予想を上回る51.7に上昇し、景況判断の境目となる50を7カ月連続で超過している。約2年ぶりの高水準だ。国家統計局などが先週発表した製造業PMIは下振れしただけに、投資家の間に安堵感が広がっている。米格付け大手ムーディーズは3日、2024年の中国経済成長率予測を4.0%→4.5%に引き上げた。
 半面、不動産業を巡る不透明感はくすぶっている。調査会社CRICのデータによると、主要100社の販売額(合弁会社など含む)は今年5月に3224億人民元(約6兆9910億円)にとどまり、前年同月比で33.6%減と落ち込みが続いた。中央政府が5月17日に住宅ローン規制の緩和を発表して以降、各地方政府が具体的な実施規定を相次いで発表しているが、政策の効果が発揮されるにはまだ時間がかかると不安視されている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。上述したように、好材料と悪材料が交錯している。また、中国では来週にかけ、5月の重要経済指標が相次ぎ公表される(5日に財新中国サービス業PMI、7日に外貨準備高や貿易統計、12日に物価統計、15日までに金融統計など)。結果を見極めたいとするスタンスが強まれば、買い手控え要因となろう。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース