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2024/10/14 08:33

売り先行か、内部環境が不透明 無料記事

◆休場明け14日の香港マーケットは、内部環境の不透明感で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。11日の米株市場は、大手銀の決算上振れが投資家心理を上向かせる展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.0%高と反発し、再び史上最高値を更新。ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%高と反発した。また、機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数が0.6%上昇し、最高値を更新している。JPモルガンが公表した7〜9月期決算は2%減益だったものの、純金利収入の増加が寄与し、1株利益は予想を上回った。通期決算の見通しも引き上げている。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.9%上昇した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が1.9%高、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK、TCOM/NASDAQ)が1.9%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が1.6%高などと値を上げている。
 一方、中国国内の環境は不透明。週末12日に開かれた財政部の会見では、財政支援で景気を支える方針が示されたが、具体的な規模などに言及がなく、市場が期待していた内容ではなかった。デフレ懸念もくすぶる。13日に公表された物価統計は消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比0.4%となり、市場予想(0.6%)を下回った。生産者物価指数(PPI)はマイナス2.8%となり、予想(マイナス2.6%)以上に低下している。そのほか、きょう報告予定の貿易統計に関しては、米ドル建て輸出が前年同月比6.0%増(前月は8.7%増)、輸入が0.7%増(前月は0.5%増)で着地するとの予想がコンセンサスだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは苦戦を強いられそうだ。中国の経済対策に対する期待感が後退したほか、デフレ脱却の期待も遠のいたことが投資家心理を冷やしそうだ。


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