◆18日の香港マーケットは、新型コロナの不透明感で方向感を欠く展開か。
　外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比5.2％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が6.2％高とそろって急反発した。米国の経済政策に対する期待感が支え。ムニューシン財務長官は17日、新型コロナウイルス感染拡大による景気悪化を回避するため、現金給付を含む総額1兆米ドル規模の経済対策を検討していることを明らかにした。また、米連邦準備理事会（FRB）は同日、短期資金の調達に使うコマーシャルペーパー（CP）を買い入れる緊急措置を発動すると発表。企業の資金繰りを支援する姿勢を鮮明にした。
　一方、17日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.3％安と小幅ながら5日続落。2月3日以来、約5週ぶりの安値水準に落ち込んでいる。一段の景気減速が警戒された。16日に公表された今年1〜2月の各種経済統計では、小売売上高や鉱工業生産、固定資産投資などが軒並み予想以上に減少している。新型コロナウイルスを巡っては、中国本土での感染拡大は収束しつつあるが、欧州や米国など他の国・地域では歯止めがかかっていない。サプライチェーンの寸断による経済活動の縮小懸念が依然として続いている。
　こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。新型コロナを巡っては、景気悪化の警戒感と経済対策の期待感が交錯する状況だ。香港では主要企業の決算報告が始まったこともあり、目先は業績動向に着目した値動きとなろう。本日は、騰訊HD(テンセント・ホールディングス：700/HK)や電能実業(6/HK)、中国光大国際(257/HK)、深セン高速公路(548/HK)、中国鉄塔(788/HK)、PRADA(1913/HK)、あす19日は、長江和記実業(1/HK)や香港中華煤気(3/HK)、中国移動(941/HK)、長江実業集団(1113/HK)、中国利郎(1234/HK)、京信通信系統HD(2342/HK)、中信証券(6030/HK)などが通期決算を報告する予定だ。


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