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2024/10/09 08:34

反発の機会をうかがう展開か、米ハイテク株高も追い風に 無料記事

◆9日の香港マーケットは、急落後の買戻しが期待される展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。8日の米株市場は、主力ハイテク株の上昇が相場を支える展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.3%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.4%高と反発している。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数は1.0%上昇し、史上最高値に迫った。新製品に対する期待が強まる中、AI(人工知能)ブームをけん引する半導体大手エヌビディアが4.0%超上昇。ハイテク株全般の追い風となった。台湾・鴻海精密工業の経営陣は8日、エヌビディアのAI向け半導体に対する需要が「クレイジー」だと発言し、旺盛な需要に対応するため大型工場をメキシコで建設していることを明らかにしている。また、原油相場の上昇が一服(WTI原油先物は4.6%安で6日ぶり反落)したことを受け、過度なインフレ懸念が後退したこともプラスだ。
 半面、中国銘柄は急落。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は6.9%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が12.9%安、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が8.1%安、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が7.5%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が6.7%安などとなっている。
 中国国内の環境は不透明。8日午前に開かれた国家発展改革委員会幹部の会見では、2025年も超長期特別国債の発行を継続する方針などが明らかにされたものの、市場で期待されていた財政出動など追加の景気刺激策に対する具体的な言及はなかった。このことに失望し、香港市場では主要株価指数がそろって急反落し、連休明けの本土市場ではロケットスタートした上海総合指数などが急速に上げ幅を縮小している。中国の景気懸念もくすぶる。世界銀行は8日、最新の経済見通しを発表し、中国経済は足元の景気刺激策を受けても、2025年の経済成長は更に鈍化する恐れがあると警告した。
 こうした中、本日の香港マーケットは反発の機会をうかがう展開となろう。前日の急落については、一部アナリストが「このところの急ピッチな上昇に対する反動」だとして、相場上昇に楽観的な見方を示している。前日は財政政策などに踏み込んだ発表はなかったものの、追加の刺激策が打ち出されるとの期待も根強い状況だ。また、政府の支援策が奏功し、国慶節連休中の住宅販売が急増したことなども改めて支援材料となろう。本土マーケットについても、政策で恩恵を受けやすい銘柄などの押し目を拾う動きが期待できそうだ。


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