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2024/10/16 08:37

売り先行か、内外環境が不透明 無料記事

◆16日の香港マーケットは、内外環境の不透明感で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。15日の米株市場は、半導体株安が全体相場の重しとなる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.7%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%安とそろって3日ぶりに反落している。オランダの半導体装置メーカーASMLが予定より早く四半期決算を発表。7〜9月期の受注が予想を大幅に下回ったほか、2025年の業績予想を下方修正した。米上場する同社ADRは16.3%安と急落。米半導体株もつれ安し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は5.3%安と、主要指数をアンダーパフォームした。また、原油安(WTI原油先物は4.4%安で3日続落)を嫌気したエネルギー関連の下げも目立っている。
 中国銘柄も急落。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は5.9%安と続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が9.0%安、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK、TCOM/NASDAQ)が8.8%安、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が6.9%安などと値を下げている。
 内部環境も不透明。中国指標の発表が気がかり材料だ。今週18日(日本時間11時ごろ)、各種経済指標が集中して報告される。9月の小売売上高や鉱工業生産などのほか、第3四半期のGDP成長率などだ。注目のGDP成長率に関しては、前四半期(4.7%)から減速するとの見方がコンセンサスとなっている。これまでに公表された9月の物価統計や貿易統計は予想を下回り、デフレや景気鈍化が懸念される内容だった。人民元安の進行もマイナス材料。米利下げペース鈍化の観測を受けた米ドル高を背景に、昨夜の外国為替市場では対米ドルの人民元が約2カ月ぶりの安値を付けた。
 なお、住宅都市農村建設部は17日、財政部と中国人民銀行(中央銀行)の当局者と共に会見を開く。低迷する不動産業界を支援する方針を示す見通しだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられる展開か。中国の景気支援策に対する期待感は支えになるものの、上述したように、昨夜の米市場で半導体株が急落したことや、中国指標の発表を前にした買い手控えが重しとなりそうだ。


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