2024/04/26 08:41
上値の重い展開か、米国の景気懸念と金利上昇が逆風に
◆26日の香港マーケットは、外部環境の不透明感で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はややネガティブ。25日の米株市場は、景気懸念と金利上昇が売り材料視される展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.0%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%安と4日ぶりに反落している。25日公表された2024年1〜3月期の米GDP(実質国内総生産)速報値は、年率換算で前期比1.6%増にとどまり、予想(2.5%増)以上に前四半期(昨年10〜12月)の3.4%増から減速した。あわせて発表された食品とエネルギーを除く個人消費支出(PCE)コア指数は3.7%上昇となり(予想は3.4%上昇)、四半期ベースで1年ぶりに伸びが加速している。米債券市場では、米10年債利回りが昨年11月以来の高水準を付けた。インフレ加速が警戒される中、市場関係者からは、利下げが更に後ずれし、年内の利下げ幅も従来予想より縮小するとの声が聞かれている。ただ、マイクロソフトとアルファベット(グーグルの持ち株会社)が引け後に公表した決算はそれぞれ予想を上回り、株価も急上昇。時間外取引のNYダウ先物もプラスで推移している。
一方、内部環境は悪くない。中国政府が打ち出した経済対策で、景気持ち直しが進むと期待されている。企業業績の改善基調もプラス。香港で本格化している上場企業の決算では、利益の上積みや、業績持ち直しを示唆する内容が多く見られる。きょう26日は、江西銅業(358/HK)や中国石油化工(386/HK)、中国国際航空(753/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)、大唐国際発電(991/HK)、中国神華能源(1088/HK)、国薬HD(1099/HK)、中遠海運能源運輸(1138/HK)、エン鉱能源集団(1171/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、北京汽車(1958/HK)、金風科技(2208/HK)、広州汽車集団(2238/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、中国建築国際集団(3311/HK)、交通銀行(3328/HK)、中信証券(6030/HK)、江西金力永磁科技(6680/HK)などが四半期決算を報告する予定だ。そのほか、中国では27日に3月の工業企業利益、来週30日に4月の製造業購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が公表される。また、メーデーにより、本土市場は5月1〜3日、香港市場は1日が休場となる。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国景気の持ち直し期待などは支えとなりそうだが、米国の景気懸念と金利上昇が逆風となろう。目先は引き続き、企業業績に着目した物色となりそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はややネガティブ。25日の米株市場は、景気懸念と金利上昇が売り材料視される展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.0%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%安と4日ぶりに反落している。25日公表された2024年1〜3月期の米GDP(実質国内総生産)速報値は、年率換算で前期比1.6%増にとどまり、予想(2.5%増)以上に前四半期(昨年10〜12月)の3.4%増から減速した。あわせて発表された食品とエネルギーを除く個人消費支出(PCE)コア指数は3.7%上昇となり(予想は3.4%上昇)、四半期ベースで1年ぶりに伸びが加速している。米債券市場では、米10年債利回りが昨年11月以来の高水準を付けた。インフレ加速が警戒される中、市場関係者からは、利下げが更に後ずれし、年内の利下げ幅も従来予想より縮小するとの声が聞かれている。ただ、マイクロソフトとアルファベット(グーグルの持ち株会社)が引け後に公表した決算はそれぞれ予想を上回り、株価も急上昇。時間外取引のNYダウ先物もプラスで推移している。
一方、内部環境は悪くない。中国政府が打ち出した経済対策で、景気持ち直しが進むと期待されている。企業業績の改善基調もプラス。香港で本格化している上場企業の決算では、利益の上積みや、業績持ち直しを示唆する内容が多く見られる。きょう26日は、江西銅業(358/HK)や中国石油化工(386/HK)、中国国際航空(753/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)、大唐国際発電(991/HK)、中国神華能源(1088/HK)、国薬HD(1099/HK)、中遠海運能源運輸(1138/HK)、エン鉱能源集団(1171/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、北京汽車(1958/HK)、金風科技(2208/HK)、広州汽車集団(2238/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、中国建築国際集団(3311/HK)、交通銀行(3328/HK)、中信証券(6030/HK)、江西金力永磁科技(6680/HK)などが四半期決算を報告する予定だ。そのほか、中国では27日に3月の工業企業利益、来週30日に4月の製造業購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が公表される。また、メーデーにより、本土市場は5月1〜3日、香港市場は1日が休場となる。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国景気の持ち直し期待などは支えとなりそうだが、米国の景気懸念と金利上昇が逆風となろう。目先は引き続き、企業業績に着目した物色となりそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。