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2020/05/22 09:15

上値の重い展開か、米中対立の警戒感がくすぶる 無料記事

◆22日の香港マーケットは、米中対立の警戒感で上値の重い展開か。
 外部環境はややネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.4%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%安とそろって反落した。米中関係の悪化懸念が再び強まっている。複数の香港メディアが21日、北京で22日に開幕する全国人民代表委員会(全人代、国会に相当)で、「香港での国家分裂行為などを禁止する国家安全法の導入が討議される見通し」と報道。これを受け、米上院議員は21日、香港の「自主独立」を侵害しているとして、中国当局者に制裁を課す法案を提出すると発表した。また、これに先立つ20日、米上院は、上場廃止の可能性もある「米上場の外国企業に対し、米当局の会計監査を義務付ける法案」を全会一致で可決している。
 一方、21日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.6%安と続落。米中対立の警戒感が重しとなっている。ポンペオ米国務長官は20日、香港の高度な自治権が「一国二制度」の下で機能しているかどうかを検証する(米国の)報告書について、最近の動向により、評価が一段と困難になったとの認識を示した。これを受けて中国外交部は21日、「米国務長官は香港政府を脅迫している」と応じ、中国への内政干渉だと強く非難している。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、米中関係の悪化懸念が投資家のリスク回避スタンスを強めさせそうだ。本日は、今年の政策運営や経済成長率などの目標を示す中国の最重要会議、全人代が開幕する(会期は28日まで)。経済対策に対する期待感は根強い一方、上記した「国家安全法」の成り行きが気がかり材料として意識される恐れもある。


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